自然療法プログラム体験記 ー しゅうくん

自分を知り自己コントロールしていく人生へ

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26歳のしゅうくんが初めてファミリーを訪れたのは、2012年6月の体験ツアーのことでした。6年間強迫性神経症を患い、仕事が続かないという悩みを抱えていたしゅうくんは、いさどんからケア滞在を勧められ、7月12日に再訪。その日からケア滞在を開始し、しゅうくんは自分の心の形を知り、自己コントロールを学んでいった結果、見事5週間で卒業を迎えたのでした。今回はファミリーにも多くの心の学びをもたらしたしゅうくんのケア物語をご紹介します。

2012年7月12日・ケア記録(BYサポーター・なかのん)

11:09西富士宮駅着の電車に乗ってきた。駅からひまわりまで送迎する。車中、そしてひまわり到着後、部屋で30分ぐらい話をした。かなり饒舌に自分のことを語っていた。すぐ不安になり、ここに来るのも不安だったとのこと。でも勇気を振り絞ってきたとのことだった。
昼食時、同席の人たちと楽しそうに話をしていた。午後はひまわりで過ごし、子どもたちと遊んだりしながら楽しそうに過ごしていた。

【17:15~ 面談】
しゅうくんの特徴をいさどんが名前から分析していく。
・恐怖感があり、受け身的。事がならないと愚痴っぽくなる。
・たくさん考える、そして行動にも移しているが、力強さに欠け、「やっている感」が乏しい。
・物事をねじれて捉える。
・人に多くを求めない。(物事を自分だけで見ている)
・発想が変わっている。→それがプラスに現れると、他者にはない発想の提案が出来る。
・恐怖や愚痴→それがプラスに現れると、好奇心が旺盛ということになる。
・先天性陰性鬱
しゅうくんは長男であり、両親の期待を受けてきた。しかし両親にとってはしゅうくんは扱いにくい子どもだった。反対にしゅうくんは「親は分かってくれない」という思いを抱えてきた。
「ここに来るのが怖かった。何でもないことが怖い」(しゅうくんの発言)
→(いさどんの分析)恐怖を自分流に転がしている。一般社会では生きづらい。
しゅうくんの鬱的傾向、強迫神経症は魂の状態をそのまま表している。魂のプラン通りであり、予定通り順調に来ている証。
「すべてに対して不安を感じている」(しゅうくんの発言)→(いさどんの分析)今が旬、良い段階に来ている。
今までは魂の形のままノーチェックで行動していた。これからはチェックをしてコントロールしていくことが大切。そうすると現象が変わってきて、自分を笑えるようになる。
現在、薬は止められている。病気ではない状態を保つことが大切。等身大の自分で過ごすこと。しっかり行動し過ぎると「上げ底」になり、また薬に頼るようになる。

(地球暦から)
火星(行動)と地球(体験)が120度。~調和を表す角度~
行動力がある。→今の「やる気」と「意欲的な気持ち」はここが生きてきている。
好奇心旺盛だが、恐怖心が影響し、時に行動を間違える。
行動力が持続しない。(土星の要素が弱い)
金星(愛・女性性)と海王星(精神性)が90度。~家で言えば梁:3番目に強い角度~
優しい世界を求め精神性を築いていく。
現状は精神性が豊かに育っていない。→育っていないから求める。(保育士という職業を選ぶ)
金星(愛・女性性)と木星(コミュニティ)に基づくビジョンがあるが、へそまがりで愚痴っぽいため行動に移さない。こつこつやれないのが弱点(土星の要素が弱い)。水星(コミュニケーション)の精度も低い。
海王星(スピリチャリティ)と冥王星(究極の真理)が60度

(課題)
1.日記を書く。
2.規則正しい生活を送る。(朝7:00前には起きて農作業に出掛ける)
3.ミーティングでの発表(努力目標)

~心掛けること~
・みんなに積極的に話し掛け、周りの反応から自分の癖を見ていく。
・正直を表に出す。(否定的もしくは感情的な正直ではなく、情報として出す)
・自分と向き合うこと。
・いさどんを信用し委ねること。(いさどんの提案を試し自分で確信を深めていく。)

新たなテーマは日記を見ながら決めていく。

(未来のビジョン)
しゅうくんもカルマ読みや地球暦を学ぶことで木の花のケアの取り組みを一緒に広げていく。

【夜コン】
楽しく参加していた。

【大人ミーティング】
面談内容をシェア出来るかどうかを確認したら、「あまりまとまっていない」と躊躇していた。それに対して「まとめる必要はないよ、言えることを言えるように言えばよいだけ。後からいさどんや僕もフォローするよ」と伝えると、ホワイトボードに記入し、面談内容をシェアした。恐怖や不安を感じながら、一歩を踏み出したと言える。

【ミーティング後】
疲れていないか確認したら、多少緊張して過ごしていたとのこと。「最初はテンションが高く調子が良いのが自分の特徴なので、これから注意しなければ・・・」と話していった(この言葉にもしゅうくんの魂の形が表れている)。僕は「一つ一つちゃんと見ていければいい」と伝えた。
今まで2:00、3:00ぐらいまで起きていたので、なかなか眠くはならないとのこと。それでも日記を書いて1:30には眠りについた。

【7月12日の大人会議にて・面談報告】
いさどんに面談してもらって、魂の構造について話してもらいました。自分は何に関しても不安な思いが強く、恐怖を感じて一歩が出ない。何に対しても受身で自分の意見が言えず、それらが病気をつくっていた、と伝えられました。話は少し変わりますが、高校生のすさや翔太君が正直に話を伝えようとしていたことを見て、これをまずやらなければと思いました。大人たちが彼らに対して意見を言っているのを見て、自分も言いたかったのですが、初めてで言えず残念でした。課題としては、日記を書くこと、生活のリズムを取っていくこと、正直に心のシェアをすることです。
嫌だと思ったことは、ドライヤーで髪を乾かしたときに、櫛に髪が付いていたので、次の人のために髪を取ってほしいと思いました。

いさどん:今日、しゅうくんがこちらに到着してから面談をしました。彼は6月の体験ツアーでここを体験しています。面談の中で彼の人格分析をしていった時に、しゅうくんは自分の心の性質を納得できていました。この場での面談報告も自分から積極的に説明しています。以前は自分の意識では薬などから抜け出せないと言っていたのですが、今は抜け出せるという意識になってきているとも言っていました。それはここの力か、自分の力か?それを自分の力にしていってほしいと願っています。彼の地球暦を見ると、ここに共鳴する心をしていて、たいへん自立心が強いです。それを伝えると、彼は「自分が良くなったら、行き詰っている人達を改善する活動をしていきたい」と言っていました。自分が不健康な状態から立ち直ると、そういう力がついてくるものです。だから、連携してやっていこうという話になりました。僕が持っているカルマ読みなどのノウハウなど、僕が持っているものはいくらでも提供すると伝えました。人の善意の集まりの中で人が癒されていく場が出来ていく、それを彼のような世代の人たちがこれからやってくれると思うと、希望が湧いてきます。初日からいい感じです。

まりねえ:満を持して来てくれて、今後が楽しみです。

2012年7月13日

6:30 目覚ましがなる。鳴り終るまで鳴りっぱなしにしておいたが本人は目を覚まさなかった。(僕はまだ早いと思ったので敢えて起こすことはしなかった)
6:40 自分で起きた。
午前中は中神倉庫へ行き、ジャガイモの処理をした。ケアの仲間も同じ作業に加わっていて、みんなで話が盛り上がったようだ。特に翔太くんと話が出来たことが良かったとのこと。昼食の時間も近くに座った人たちと楽しそうに話をしていた。(ボクシングの経験があり、その話をしていたようだ)
午後は自制をしてひまわりで過ごす。15:00過ぎまでゆっくり昼寝をし、その後日記を書き、昨日の面談のCDを聴いて過ごした。夕食、その後の食器洗いもメンバーとの会話を楽しんでいた。

【大人ミーティング】
自分からホワイトボードに記入して心のシェアをした。積極的な姿勢を見せていた。
(いさどんからのコメント)
今のしゅうくんはテンションが高くなっている。3~4日後、もしくは1週間後ぐらいにしゅうくんの地の部分が表れてくる。その時にみんなの世話になるのだと思う。ただ、これは悪いということではないので、今は今でそのテンションで一生懸命にやればよい。

ミーティング中、黒大豆の選別も手伝っていた。

【7月13日の大人会議にて・今日の振り返り】
昨日いさどんと話した「規則正しい生活リズムを取っていく」ということで、今日は六時半に起きて作業に出かけました。作業中ケア滞在中のSくんと話してすっきりした部分があったり、夕食の片付け時にまこっちゃんとも話して、楽しいと思えたのが収穫でした。まだ不安も出たり、まだみんなの名前を覚えていなくて声をかけられない、などがありました。以上です。

いさどん:いきなりの報告、感心します。

なかのん:発言嬉しいです。

ちなっぴ:しゅうくんは、昔はバスケ、今はボクシングをやっていてスポーツが好きだそうです。今度一緒に何かやりたいです。

いさどん:ボクシングはランキングに入っているの? ジムだけ?

しゅうくん:趣味で通っています。

いさどん:殴りたい心境とかはあるの?

しゅう:殴るのは恐いです。

まこと:お皿ふきは楽しい時間でした。全く普通に楽しく話して、ケアという感じはなかったです。本人が思うことを一つ一つやっていけばいいと思います。発表してくれて嬉しいです。

いさどん:しゅうくんの心境を分析すると、今はテンションを上げている状態です。3~4日で疲れが出てきて、一週間ぐらいすると本物の彼が出てくると思われますが、みなさんお付き合いください。しかし、それは悪いことではなく、改善しようとする意欲の表れです。疲れが出ても、進んでいけばいいのです。等身大の状態が出た時にはみんなの力が必要になっているということなので、安心してスローダウンに持っていけば大丈夫です。

2012年7月14日

6:50頃起床。午前中は中神で作業をする。そして、午後は畑に出た。
おやつの時間、弘美ちゃんが大人ミーティング中に行っている豆の選別に関するシェアをしていた。それを聴いて、しゅうくんは自分と重なったようだ。「不安や疑問を溜めこんで、確認せずに自分で調子を崩していた」ことが分かったとのこと。
昼食後、部屋で20分ぐらい一緒に過ごした。昨夜は十分に寝たとのことで、昼寝はせずに会話&日記を書いて過ごしていた。(声が大きくちょっとテンションは高い感じがした)
夕食の時もいろいろな人に声を掛けて楽しそうに食事をしていた。

【Sちゃん卒業コンサート】
「夢の国」や「みんなで踊ろう」の時、みんなと楽しそうに踊っていた。のびのび過ごしていた。

【大人ミーティング】
自分から心のシェアをしていた。内容は「ひろみちゃんを通して学んだこと」。しっかりと話が出来ていた。いさどんはそんな彼を評して、「一人ケアサポーター。自分で良くなっている」と述べていた。
ミーティング後、豆の選別が残っていたが、それも手伝ってから部屋に戻った。

【7月14日の大人会議にて・今日の気付き】
午前中から畑に出ました。おやつの時にひろみちゃんの話題になりました。選別が進まないで悩んでいたひろみちゃん。みんなに選別のことを投げかけてもなかなか伝わらないで進まないことに葛藤があるようです。これはみんなにとって大事なことだから、みんなに投げかける必要があるという話になりました。そういうひろみちゃんの姿が自分に重なりました。自分はこれまで思っていることを伝えずに、溜め込んでパンクして病気として現われたのだと思いました。でも、ここですぐ出すようになったら、ラクになってきました。今までは自分が病気の種を撒いていたのだと気付きました。

いさどん:しゅうくんは一人でシェアして、一人でサポートして、そうやって自己完結しながら治っていっています(笑)。今ケア滞在中のSくんとお互いが良い刺激になっています。そういった中で改善していくのが理想なのですが、そういう空気が出ていて良いことです。

ようこ:ケア滞在者は明日2名増えて5名になります。増えると大変と思う人もいるかもしれませんが、私は逆に楽になっていくと思っています。それをここでは「はずみ車の法則」と呼んでいるのですが、ケア滞在者が互いに励まし合って良くなっていったり、ケアを卒業したメンバーという心強いサポートもあるし、今後が楽しみです。しゅうくんを見て、「この人ケアだったっけ?」と思うのは私だけでしょうか?(多数から、賛成の意志表示。)

2012年7月15日

1日畑隊の作業に加わる。内容は、ジャガイモ選別、落花生のマルチ剥ぎ、ごま間引きなど。
今まで順調に過ごしていたが、失速するのではという不安も生じている。そのことについて、大人ミーティングでシェアしていた。

【大人ミーティング】
昨日と同様、日記を僕に見せてから、その内容を大人ミーティングでシェアした。

【7月15日の大人会議にて・今日の気付き】
ケア滞在を始めて、みんなからもスムーズに過ごしているねと言われていて、自分もそう思っています。感情を溜め込まずに楽に生活できています。これは、自分の中では想定内のことです。でも、これからが自分の中での本番です。仕事でもはじめは好調で、その後失速していくパターンでした。作業中も、注意されたことでもやもやした気分で作業をしていました。その想いをメンバーに聞いてもらったりしていました。これは自分の思考にとらわれた結果だと思っています。色々な思いが湧いても、感情にとらわれたり深く考えすぎないようにしたいです。聞くことに気負ってしまい、落ち込み気味になりました。気負うことなく聞いていきたいです。

まこと:失速するパターンは僕もよく経験してきました。自分もここに来たばかりの頃、家に引きこもっていた頃の自分に戻るのでは?という不安を抱えていました。でも、こうやって元気に生活できているし、それも自分の思考パターンだから、だんだん切り替えも早くなっていくもの。そのパターンを替えていけばいい。目の前のことに集中していけば道は開かれていきます。

いさどん:今のしゅうくんには失速を恐れる心があります。しかし、僕はしゅうくんが失速するといいな、と思っています。今は良い部分を表現していますが、出来の悪い部分も出てくることによって失速するといいと思っています。ここで大切なことは、失速したときにはそれを隠さずに出して、今までと違うパターンをつくっていくことです。そこから、今まで粗雑につくっていた心の基礎の部分を組み立て直すチャンスが生まれるのです。

しゅうくん:早く失速したいです(笑)。そういう自分もあったので、そうなったときにどう対処できるかというのが社会に出たときに・・・。

いさどん:その時にこそ、自分だけで解決しようとせずに、心を開いて人の助けを借りること。今までしゅうくんは、自分で完璧にこなそうとしてきたので行き詰ってきました。加えて、自分と向き合う勇気、心を開く勇気を持って過ごしていると、ひょっとして失速せずに組み立て直すことが出来るかもしれません。

ようこ:今日からヘルパーで来ているヤンGもしゅうくんと似ている心の形をしています。彼は2ヶ月間ケア滞在をして卒業したのですが、最初の3週間はとても順調で、このまま卒業という話もありました。しかし、それから本物の彼の姿が現われてくるようになり、しゅうくんの言う「失速して」ということですね。そこから心をひとつひとつ学んで積み重ねていって、2ヶ月で卒業したという経緯がありました。しゅうくんはここに来て未だ4日目です。4日目にしてこういう話が出るというのはとても順調だと思っています。心の中にあるものは出るべくタイミングで出るものです。だから、出たときにそれを嫌だと思うのか、それともチャンスだととらえて改善していくのか。すべては捉え方次第で、それはケアの人たちだけではなく、私たちメンバーも毎日現象から自らの姿を振り返り学んでいて、やっていることは同じです。ですから、しゅうくんの歩みは順調だと思っています。

2012年7月16日

午前中はいさどん、ちなっぴと養蜂。ちなっぴのここに来るまでの話などを聴いてとても感動したようだ。「流れに乗ると奇跡のようなことが起きる」という気付きがあったようだ。
お昼には、両親が来られて一緒に食事をした。とても和やかな雰囲気だった。父親は無農薬で稲作をされていて、近くに座っているまこっちゃんと話が盛り上がっていた。13:30~ 面談。

【面談】
しゅうくんのうつ症状の歴史を確認し、それに至った原因を探った。結果、家庭環境には原因は見当たらなかった。あくまでしゅうくんの魂の形から来ていることが確認出来た。そこでしゅうくんには、自分をコントロールすることの大切さが改めて伝えられた。また自分史を作成するという課題も与えられた。自分史は「感情が際立った瞬間」や過去の不器用な部分を思い出すことにより作成していく。
両親に関しては、今後面談のために来る必要はないが、近くに住んでいるのでご都合のいいときにはいつでもしゅうくんの顔を見に来て下さい、と伝えられた。

【大人ミーティング】
いつものようにミーティング前にしっかりと日記にまとめてシェアしていた。

【7月16日の大人会議にて・本日の気付き】
今日は以前から興味があった養蜂で朝霧に行きました。木の花に来てから富士山の頂上まで見たことがなかったのですが、今日は見れて良かったです。蜂のことも知れて発見でした。一番良かったのは、今建設している家の話です。経緯を一通り聞きました。必要とした時に必要なことや人がやってくること、奇跡のような出来事を知って鳥肌が立ちました。こわいような、なんとも言えないワクワクする気持ちが出てきました。ちなっぴが言っている「楽しい」を気付かせてもらえました。どきどきわくわくを聞かせてもらって、感じさせてもらえる一日でした。友人の良い話や結婚などを聞いた時にへこんでしまう自分がいましたが、自分には自分の役割があって、それをやることで周りに影響を与えると感じました。今まで家から離れたことがなかったのですが、離れたことによって素直になれました。面談の中で言われた「自分をコントロールする、自分史作り」をやっていきたいです。

あや:人と自分を比べず、自分がもらった役割があることに気付けたのが大事です。人と自分を比べて傷つくことは、誰にでもありがちなことだと思います。いい気付きをもらったと思います。明るい感じでケアの人に気付きを与えるちなっぴにもありがたい気持ちです。

ちなっぴ:今日はすごく楽しかったです。共有できて嬉しかったです。また一緒に遊びましょう♪

なかのん:今日はご両親が来て、食事や面談の時間を一緒に過ごしました。和やかで楽しい時間でした。今のしゅうくんの状態が何から生じているかを知るために、双方から話を聞いたのですが、今のしゅんくんの状態は彼の魂の形から来ているということでした。だからこそ、自己コントロールしていこうという話になりました。そういう作業をしていくと、道がどんどん開かれていくと思います。

いさどん:特徴的なことを1つ挙げます。今まではケアの家族の人に対しては、時々来てもらって、当事者(ケア対象者)が改善していくのに付き合ってもらいながら、本人を迎え入れる環境も改めていきましょうという話をしてきました。近い人では週1回くらいのペースで来てくださいと話してきました。しかし、今日初めて、「今後の滞在期間中に来なくていいですよ」と伝えました。それはしゅうくんの今の状態が彼の魂の問題であり、環境によってつくられたものではないという判断からです。これは初めてのことで、今回の特徴でもあります。お父さんには個人的に来たいということであればいつでも来てくださいと伝えたら、「今は忙しいので、暇ができたら来ます」と言っていました。しゅうくんは自分個人だけで改善されていくことの喜びを感じていくより、より近い人にそれを共有できるとさらに喜びが大きい人です。「追い風として、彼の成長ぶりを見に来てやってください」と伝えたら、ご両親はまた来ますと言っていました。

しゅうくん:面談をして、自分の昔の様子などを両親と自分とでお互いに出し合い、意見の相違などを確認できました。今まで両親に対して自分の中で多少ストレスになることもあったのですが、引きずっていることはあまりなく、今は今まで育ててくれてありがたいという思いです。母親も父を支えつつ自分たちの面倒を見てくれてきました。親への感謝はあったと思います。自分の状態の原因が家庭の事情ではないとわかり安心しました。周りからはいい家族だとよく言われていました。親からしてもらったことは間違いじゃなかったのだと思いました。自分を知ってコントロールし、社会に出ることが親への恩返しだと思っています。

2012年7月17日

朝6:50 ひまわり発でごまの間引きに行く。今日は1日ごまの間引きをする。外に働きに出ているメンバーと話をしたことがとても参考になったようだ。ケア滞在をしているSくんとの間にもいろいろな心の動きがあり、今日はSくんに対して優越感を持ったとのこと(働いた経験があるなど・・・)。そして、「Sくんより早く卒業してやろう」という意識も生じたようだ。そのことをSくんに伝え、大人ミーティングでも報告していた。比べる心があると自分で分析していた。

【大人ミーティング】
上に書いてあるようなことをシェアする。

~ミーティング後~
部屋で少し話をする。ヤンGの言葉使いや態度に関して不満を感じているが、それを伝えられないことにストレスを感じているようだった。僕は「ヤンGのことはヤンGに任せて。もし自然に伝えられる機会があれば伝えるといいが、無理に伝えようと気負う必要はない」と伝えた。

【7月17日の大人会議にて・今日の気付きとこれからのこと】
今日は前から話がしたかった僕と魂の形が似ているメンバーと畑で話をしました。名前の陰陽度が同じ-1。寝起きが苦手なところとか、同じで安心感を持ちました。僕は彼に、「悩んでいるように見えないね」と伝えましたが、よく考えたら自分も人に同じことを言われます。人からはこんな風に見られているんだなと思いました。また相手の話に耳を傾けることで現状を変えていけることを知りました。
この先の役割も考えました。もう一度保育士に復帰してもいいかもと思いました。保育を通して調和の輪を広める、次世代の子供達を育てていくのも役割かと。そのためには自己コントロールが大事だと思っています。
また、比較の話も出たのですが、それをとても伝えたいです。ここのITチームや、建築チーム、楽団の人をみると嫉妬の気持ちが湧いてきます。また、逆に優越感を持ちたいという気持ちも湧きます。Sくんにもそれを感じて、それを伝えてすっきりしました。でも、そんなときは嫌な気持ちになります。比較するというのは自分の方に目が向いているからです。だから、調和に向いていないのかなと思いました。比較の話はとても楽しかったです。

いさどん:しゅうくんの性格的問題点を伝えました。自分史を書く提案をしましたが、正直に自分を表現するのがポイントです。良いところだけを見せるのではなく、性格が良くないかもしれないけど、悪いところも正直に出すといい。悪い感情も使い方で良い感情に変わるのです。評価できるのは、とてもたくましく自分を振り返っているところです。そして、物事を善意に受け取っています。また、他者に目を向けるのではなく、自分に目を向け、他者にはやさしく接していくことが大事なのだと思います。正直に出すのはとても大事なことで、特にケア期間中は自分の中を整理整頓して取捨選択する、普段なら閉じ込めて出さないことも出すことです。だから、しゅうくんの今の姿勢はとても評価できます。

みかこ:比べるのは人間の特性かもしれません。有効に使えば学びになる、違いを見ることで個性をみるというふうに使っていけたらと思います。

2012年7月18日

午前中はごまの間引き。午後はひまわりで過ごし、日記を書いたり「自分史」を書く準備をしていた。自分をどう書いてよいか迷っていたので、参考までに以前のケア滞在者に関する聞き取り資料を渡した。その他、誕生日会の出し物の練習も、Sくんや幼児たちとしていた。

【7月18日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日の大人会議の子供たちの話が腑に落ちませんでした。今日、作業中にかずこちゃんと話したのですが、かずこちゃんは「私は人を思う気持ちをいさどんやみんなから教えてもらって、やっとわかるようになった。創立メンバーの私たちはそういった苦労をしてきた。最近になって、調和の気持ちを持った若い人たちがメンバーなっているが、そういう人たちは私たちが苦労したことを自然に理解している」と話してくれました。ということは、子供たちはそういうものをすでに持っているということ。それで、昨日の話がわかりました。
「他人と比べることは、他人との違いを認めることだから悪いことではない」とみかちゃんが言ってくれたことを振り返りました。過去に自分がうまく行っていなかったとき、自分が格好良くありたい、という気持ちがよく働いていて、そういうときはプレッシャーが働いていました。保育士をしているとき、授業参観でかっこいい先生でありたいとか、自分だけが特別視されたい、もてたいと思うときはうまくいきませんでした。かずこちゃんから、「人はそれぞれ違うし、今のしゅうくんの姿がかっこよく見える」と伝えられて、ちょっとホッとしました(笑)。

かずこ:一緒に作業していて、Sくん、しゅうくんの一生懸命な姿から自分も学べるし、ふたりの姿をいいなと思いました。比較しても、神様はその人だけにオリジナルなものを与えています。そのことに気付くと、比較する必要がない、とだんだん思えてくるはず。

2012年7月19日

1日畑に出る。
18:30頃、話を聴いて欲しいとしゅうくんの方から言ってきたので、20分ぐらい部屋で話をした。ヤンGとの間できつい言葉のやり取りがあり、まだ腑に落ちていないと話していた。
しゅうくんは「世間に出ればこういう人もいる。そう思えば学びかもしれない」と話していたので、「それは違う。それは意識を相手に向けてしまっている。自分自身の振り返りに向けることが大切」と伝えた。伝えた内容はその他、以下の通り。
「他人の嫌いなところというのは、自分自身の見えていない嫌いなところという可能性がある。そういう視点でヤンGに対する気持ちを見てみるといい。感情を引き出してくれる相手だからこそ、たくさんの学びを得ることが出来る。そういう意味で、ヤンGはしゅうくんにとって神様からの贈り物と言える。」
僕の言葉を受けて、しゅうくんはしっかりと振り返った。それは大人会議でのシェアに繋がる。

【大人会議】
ヤンGとのことや、ヘルパーのTちゃんとの間に起きた感情についてシェアをする。

【7月19日の大人会議にて・今日の気付き】
今日はヤンGとのやり取りを通して、正直の実践編だと思いました。ヤンGとの作業は一昨日からしていて、気付きがたくさんありました。ヤンGは調和に関して独特な理論を持っていて、自分流の展開を打ち出してきて、ちょっと調和とは違う空気を持っているなと感じました。そのとき、ヤンGに自分の正直な気持ちを伝えたのですが、彼はあまり変わらなくて、ヤンGに対してこの人はこうなんだ、と距離感を感じました。でも、その後メンバーからも色々とコメントをもらったみたいで、変化していってるヤンGに触れて、「ヤンGすごいじゃん」という素直な気持ちを彼に出しました。素直に出すということの大切さにも気付きました。それで今日作業をしていて、今言ったような口論みたいなちょっとした出来事があったのだけど、会話の中で、きつい言い方をされて腑に落ちないと思い、それも彼に伝えて色々と言っているうちに、最終的にはお互いの気持ちがわかってすっとしたのですが、その後、まだいらいらする気持ちもあって、なかのんに相談しました。ヤンGは、話し始めると相手に配慮しないで、ばーっと話を続けてしまう。僕はそういうところが好きじゃないなと思っていました。なかのんからは、「しゅうくんにも似たようなところがあるかもしれないね」と言われて、その可能性もあると思いました。
そういう一連の出来事から振り返ってみると、自分は相手のことを考えてものを言っていなかったり、自分自身が配慮に欠けていることに気づきました。自分に合わない人に対してそういった言動が出てくるので、気をつけようと思います。正直に出すのは大事だけど、自分の気持ちが乗っかるのではなく、きちんと情報として伝えていく必要があると思いました。
また別件ですが、今日のおやつのときに、ヘルパーのTちゃんが自分の言葉に訂正をかけてくれたのですが、それを自分が否定されたという気持ちで勝手に傷ついてしまうことがありました。そういう癖があることに気付いて、そういうのは自分の中で気をつけなくてはいけないなと思いました。今日は学びの多い1日でした。以上です。

Tちゃん:私が訂正をかけたというのは、何のことでしたっけ?

しゅうくん:何だっけ?(みんな、笑)

ヤンG:表現を言い直されていました。

しゅうくん:「社会に出て失敗したらどうしよう」と自分が言ったことに対して、Tちゃんが、「失敗というのはないんじゃない?」と・・・。

ファシリ:それで解決したのですか?

しゅうくん: はい、すっきり!

ちなっぴ:内容のことよりも、1つずつ出来事を振り返っているしゅうくんを見て素晴らしいと思います。昨日のミーティングのあとも、復習をしている姿勢とか、感心します。

まり姉:相手に自分が思っていたことを自分もやっていたな、と自分で気付くのは、日常に沢山生かせると思います。自分にとって苦手だなと思う人こそ、そこには学びが隠されていて、そこを楽しめるといいなぁと思いました。これは、ここでなくても社会でも活かせることだと思いました。

いさどん:最近、ここでも世代間の違いを強く認識していますが、しゅうくんは魂からすると、結構にごりがあって苦労するタイプです。人生でも予定通り行き詰って、ここにケアとして来ているのですが、この世代の人たちは新しい時代を切り開いていく人たちです。心のきれいな人たちが宇宙を意識して、この宇宙時代の人たちにつなげていく意味では、しゅうくんがやっていた保育士という仕事はとても向いています。ではなぜ、にごりのある人がそういった立場にいるのかというと、その汚れやにごりが波紋となって、まわりに見せてくれるのです。生まれてきた魂のままに生きている人もいますが、自分から出ることだからこそ、しっかりと受け止めて学習し、自分の枠を超えていくと、そのにごりが学び多き種になるのです。今日の心のシェアでしゅうくんはしっかりと精査しながら、振り返って落とす作業が出来ています。これを続けていくと、今まで持っていた滞りを自分の力で解決出来るようになり、そして、自分が何ものであるのかをとらえるだけの力が出来てくるのです。また、ここの環境はそれをサポート出来る場です。ヤンGも、わざわざしゅうくんのためにここに再びやってきたのかもしれない、と僕は思っています。あなたにはぜひ職場に復帰してもらいたいと思います。本当にタイムリーなときに、タイムリーな場所に来て、しゅうくんはこれからの人生を楽しみながら生きていける、そういう未来があると思って楽しみです。

ちなっぴ:今の話を聞いて鳥肌が立ちました。しゅうくんとミーティング後に話していたら、「自分が幸せになれば、その幸せをみんなに広げていきたい」と言っていました。その気持ちが嬉しいなぁと思いました。

あや:ちなみに、二人はお誕生日会でクリスタルな子どもたちと発表をするので、その成果を乞うご期待!

Tちゃん:ここ数日、しゅうくん、Sくん、ヤンGと一緒に畑作業をしていて、すごく楽しいです。午前中はテンションが高くて、座学的な話をしていました。そして、午後は黙りがちにここで落とし込んでいるのか、シュミレーションが行われているといった感じです。しゅうくんとSくんは心の学びをしているんだと思って見ていました。その時は最後の落としどころがつかめなかったので、ファシリがほしいと思っていたのだけど、今の話でまとまった感じです。しゅうくんは思ったことを言っているのに、私は想いを言葉に出さない。しゅうくんは人の話に同意する時でも、言葉に出して伝えているので良いなと思いました。

2012年7月20日

1日畑作業に出る。夜の誕生日会では、子どもたちやSくん、Tちゃんと一緒に手遊びを披露した(女装して)。とても上手に子どもたちをまとめていた。その後、Sくんと一緒に上半身裸になり「えっさっさ」体操を披露した。とても盛り上がった。

【7月20日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日の日記を読んでいて、もうひとつ気付きがありました。自分のことを指摘されるとムキになって言動を返してしまう自分に気付きました。Sくんから観える景色を伝えられた時、自分はムキになっていました。今朝それをSくんに話したのですが、強い口調で言ってしまって、傷つけたかなと思いました。Sくんにどう思っているか尋ねたが反応がなく、すごく気になっていました。Sくんはずっと黙っていましたが、その後おやつの時間にみほちゃんからの投げかけでSくんは想いを話してくれたけど、自分の中ではちょっともやもやが残っていました。後でその場にいた他のメンバーに、Sくんのことが気になっていたかどうか尋ねると、気になっていたと言っていました。でも、話しかけてはいなかったので、それはどうしてかを尋ねると、見守っていたとのこと。それをきっかけに自分の心を振り返ってみると、自分の中にある深い感情は、実は自分が安心したいから話しかけていたというものでした。Sくんが黙っている原因は、自分ではないと思いたかったからでした。自分の不安を消そうとして行動をしていた、相手のことを気遣っての行動ではなかったことに今日、気付きました。でも、自分を正直に出して自分を知れたので良かったです。こうちゃんは、「他人を通して自分の姿を知ることができる」と教えてくれました。どんな些細なことにでも常に正直でいたいです。

メンバー:しゅうくんが正直に出してくれたことによって、まわりからも色々なコメントが出ました。「自分の行動は人のためになっていなかった」と言ったけど、結果は人のためになったと思います。正直を出すことによって、結果、人のためになっているということ。今日はそういうケースでした。Sくんにとってもいい時間だったと思います。

かずこ:今日一日を見た時に、おやつの時も車で移動する時でも、しゅうくんとSくんは正直というテーマについてずっと話していて、本当に学んでいるなと思います。

ようこ:ここ2、3日、しゅうくんもSくんも、どんどん心が進化していると感じています。ここのメンバーであっても、そこまで振り返ることはなかなか難しい人もいます。でも、二人の場合、ちゃんと落ちるべきところに心の学びが落ちている。自分が良かれと思ってやったことが、実は独りよがりな自分の癖だったと気付けたのはレベルが高いと思います。これはケアで来ているとか関係なく、人によくありがちなパターンです。ケアの人にとってもファミリーのみんなにとっても、良い学びとなったと思います。

ひとみ :今の話、私もひそかに学びになりました(笑)。

2012年7月21日

午前中はスイカの除草、午後はひまわりで自分史を書いていた。自分史は小学校高学年まで書いていた。

【7月21日の大人会議にて・今日の気付き】
今日は作業中に自分の癖と向きあっていました。スイカの草取りで茎を傷つけないようにしていたのですが、注意力がだんだん散漫になっていきました。気持ちを振り返ると、面倒くさい、なんで俺がこんなことをするのか、という思いが出ていました。深く見ていくと、疲れているから休みたい、自分史を書く時間がほしい、という気持ちを正直に出していない自分がいました。こういうことが不調和を生み出し、我慢してしまう自分がいると気付きました。農作業をしていると、気持ちが顕著に形に現れると思っています。刈ってはいけない野菜を刈ってしまったり。ごまの間引きが列によってきれいだったり、草が残っていたり、作業した人の気持ちが出ていると思いました。農作業は気持ちを振り返る良い判断材料になると思っています。
一昨日と昨日はいい感じに振り返れましたが、そのパターンを保持できるか心配する気持ちが出てきました。それはカルマとして不安が出るのは仕方がないし、忘れてもまた思い出せばいいし、「正直、素直、信じる」の心があれば思い出せると思いました。今も疲れていて頭が働かずイライラしているのですが、そういうときはきちんと休むようにしたいです。

ひとみ:イライラしていると言っていましたが、そういう感じがしていないので、客観的に自分を見ていると思いました。私にも難しいことなので、本当にすごいの一言です。冷静な自己分析が出来ているのがしゅうくんの優れているところだと思っています。お手本のようで、いつもありがとうございます(笑)。

いさどん:冷静なお手本を無理してやっているのが、実際です。イライラしている自分を収めていくのが大事なのですが、無理をして評価を受けようという気持ちがしゅうくんにはあります。そうすると、今もそうですが、それを評価する人がいるので余計にやってしまって、疲れてしまう結果に行き着くのです。一般社会で生きていると、疲れていてもやらなければいけないこともあるものですが、今はケアで滞在しているのだから、作業に出るのが主な目的ではありません。心を見つめ、心を安定させることが目的なのだから、それに差し障りがあるなら休めばいいのです。今は自分史を書くことがテーマなので、今は休んでそれに取り組んだ方がいいです。作業はそのための二時的な手段なので、優先順位を間違えないように。勢いよくシェアしていく姿勢は評価出来ますが、冷静に、感情の起伏に左右されず、情報として物事をとらえていく精度が求められています。そうすると、優先順位も見えてくるので、心がけてください。

ようこ:私もしゅうくんが発表し始めたときに不自然なところを感じていました。それより、いさどんが話し出した後の今の素の表情の方が好感が持てます。いさどんが話し始めたとき、しゅうくんは少しうっときているみたいでしたが、でも今の方が実は居心地がいいのでは?普段からこういう素の部分を出して大丈夫だということを学んでいるのだと思います。

しゅうくん:いさどんが言っていた「評価されようと無理をしている」というのは本当にそうだと思います。自動的にそうなってしまいます。疲れもそれから出てきているのかなと思います。もう少し自然体でいたいということをすごく感じています。

いさどん:すべて自分の心の状態を把握出来ていたら、今までの滞りはないわけです。それが出来ないから滞っていたわけで、自分のことを分かっていたいという心が先走って、それを表現すると、見えていないところが隠れてしまうのです。だから、客観的な目線を伝えてもらって、自分の視点を広げていくことが大切です。これまで突っ走ってしまうところがあったのを振り返ると、よくわかると思います。優等生であることは、いいことばかりではありません。こうやって何か自分の思惑と違うところを伝えられることで、どのように収めていくか、という訓練になります。たとえば、社会でも、他者と合わないだけで筋道を通せないことがあります。そのときに自分が傷ついてしまったり、冷静に受け止められない状態になることは、物事を情報としてとらえられていないからです。筋道が通って大切だと思ったときこそ、情報として伝えた方が相手に伝わるし、評価も上がるものです。ここからは仕上げの段階で、落ち着いた対応で自分を冷静に捉えて精度を上げていくことが必要かと思います。メンバーの人は心得ているとは思いますが、みんなにももう一度確認しておきたいと思います。ケアの人は作業することが優先ではありません。それでもついつい調子よく作業に出てくれると、知らないうちにアテにしてしまうこともありますが、どこまでいっても本来の目的は、健全にするための助けとしての作業だということです。しゅうくんには自分史を書くことを優先してほしいです。

かずこ:一緒に作業をしているので正直に伝えてほしい、ということと、こちらももっと配慮すべきだった、と思っています。

2012年7月22日

午前中はKさんの引っ越し荷物の片付けと畑作業。午後は自分史を書いて過ごす。

【11日目面談】
(いさどんから)
● しゅうくんは自分のどこに問題があるかをつかめているが、見過ごすことがある(意識的にも無意識的にも)。
● 知らない間に出ている自分の癖に気づいていく必要がある。(精度を上げていく)
● 優等生をやるところがあり、周りの人はそれに気づかない。(背景の心が見えない)。
● 自分で背景にある心に気づいていけるようにする。
→そういう自分をさらけ出すことで人に甘えていくこともできる。
● 自分を高めるために、自分を監視する目を育てていく。
● 心の濁りとねじれを厳しくチェックし、活かしていく。
ねじれ
-(マイナス):ストレートに捉えない。へそまがり。素直に捉えない。
+(プラス):人とは違う視点から客観的情報をもたらす。
濁り
-(マイナス):愚痴や恐怖
+(プラス):慎重にことを運んでいける。

(自分史を書く目的について)
先天性鬱という特徴を掴む。
今までにもそういうことを引き起こす場面があったはず。(外からは分からない形で)
振り返りながらそういう部分を見直していく。
→見逃してきた自分を掘り起こしていく。

(課題)
今までのテーマを継続し、大人会議でシェアをしていく

【7月22日の大人会議にて・今日の気付きと面談】
昨日、いさどんが言ってくれたように、良い印象を持ってほしい、好かれたい自分がいることに気付きました。疲れた自分を見せるのはよくない、と知らず知らずのうちに頑張ってしまう自分がいます。疲れていても止められず、倒れるまでやるのが今までのパターンであり、仕事をやめた原因でもあります。まわりから元気そうに見えてしまう、大丈夫だよととりつくろってしまう、なんでこんなに頑張っているのに気づいてくれないの、と思ってしまう自分がいます。ひとみちゃんから昨日ほめられたのは嬉しかったですが、いさどんが言っていた無理をしているというのが本当の自分で、そう言われてほっとしたところもあります。
今日数人のメンバーと話していて、「どうしていいかわからない」と伝えると、「僕にもそういうところがあるよ。そういう自分を笑えるといいね」と言われ、肩の力が抜けました。無理をしないようにしたい、意識して防いでいきたいです。それが他人に正直であるように自分に正直ということだと思いました。今までも必死に全部を吸収しようとしていましたが、無理をせず冷静に自己分析をしていきたいです。
面談では、総合的な精度を上げていく、知らずにでている癖を見ていくことが課題として与えられました。自分には優等生ぶっているところがあり、まわりから気付かれにくいので、自分で精度高く気付いていきたいです。また、自分のにごりやねじれをプラスに考えてつなげていきたいと思っています。

いさどん:日記の内容についてはとても良い振り返りをしているので、こういう日記集をまとめていくといいよね、となかのんと話していました。良い気付きをみんなに見てもらうと励みにもなります。今日の面談では、自己チェックの精度を上げることを提案しました。日々のこういう取り組みは、精神科にかかっている人や欝病の人だけでなく、誰が読んでも自分にもあると納得するはず。誰でも学べるという意味では、こうした振り返りがとてもいい資料になっています。

ひとみ:昨日はいさどんが言ったとおり、ケアの診断としてコメントしていませんでした。いつも思うのは、しゅうくんの気付きは自分にもあてはまり、とても参考になります。とてもレベルが高いです。

いさどん:今日の体験ツアーの振り返りの時間に、参加者の一人がごはんを食べているときに誰かと話したと聞いたので、「その人がメンバーかどうかわかっている?」と尋ねました。最近はケアの人が話していても、メンバーが話していても、レベルに遜色がありません。ゲストには見分けがつかないだろうと思っています。日頃からメンバーが取り組んでいる結果、ケアの人に良い効果をもたらしています。世界に類を見ない取り組みだと思っています。みんなに感謝です。

ようこ:ケアの人たちの定期面談の時間が短く済んでいるのも、ひとえにこの場の精度、サポーターの精度が上がっているからだと思っています。7月の終わりにはもう2人男性のケアの人が来る予定になっていて、ケアラッシュを迎えています。

みかこ:日記を見て、あまりの精度の高さにびっくりしています。メンバーでもなかなか出来ない振り返りをしていると思っています。でも、肩の力を抜くといい。そこが自分のクビをしめてしまうことに気付けたらいいなと思います。

2012年7月23日

午前中はエゴマの間引き。午後は自分史や日記を書いて過ごす。日記を書いている時、上手い表現方法が見つからなかったようで、アドバイスを求めてきた。僕はより分かりやすくなるようにアドバイスをした。

(みんなからのコメント・要約)
しゅうくんは大人ミーティングでシェアする時、いつも日記を見ながら発表している。そろそろ次の段階として、何も見ないで発表するといい。語ることと読むことは違う。生のその時湧いてくる感情を出していくといい。それこそ臨機応変を振る舞うトレーニングになる。
同時に、心のシェアの時、今までなぜ日記を読み上げていたか?を振り返ってみるといい。

【7月23日の大人会議にて・今日の気付き】
今日、午前中の作業はえごまの間引きでした。はじめは順調だったけど、途中からなかなか進まなくなり、「何でだろう? 」と思いました。「きっちりやろう」とか、「自分の中で等間隔にしなくてはいけない」という思いなどで臨機応変に出来なくて進まなかったことに気付きました。こだわりが強くなった時、きっちりすることで自分が落ち着き、自分のやり方を決めると固執することがわかりました。ある程度までは几帳面、慎重、しっかりするのはいいと思いますが、行き過ぎるとこだわって前に進まない。おやつのときにそのことをシェアしたら、主役はえごまだと言われ、自分が気持ち良くなることに目を向けていて、ポイントがずれていたことに気がつきました。今までの自分の強迫神経症に似ていて、今までもそれをつくっていたのは自分だったと気付きました。

かずこ:「きっちりやることは大事だけど、きっちりすぎても全部がうまくいくわけではない、考えすぎると前に進まなくなるので臨機応変に」という話をしました。

なかのん:今までの自分の苦しみをもたらした原因を注意して手放せたらいいと思います。

ようこ:一意見ですが、しゅうくんはいつも発表する前に文章をまとめて読み上げていますが、日記を読まずにその場で湧いたものを発表するという新たなスタイルに入ってもいいかもと思っています。読むことが悪いのではなく、しゅうくんの心の背景によく見せたいというものを感じているので、そう提案しました。事前に書いても見ずに読む、感じたことを言ってみるなどの柔らかさを身につけるといいと思いました。

いさどん:同じことですが、ケアの人には何でもいいから、書いたものを読んでもいいから、まず発表しましょう、と伝えます。その次の段階として、書いたものを読むのではなく自分に定着しているものを出すには、生のまま発表するのがいいですよ、と伝えます。文章は自分を飾れるので、しゅうくんの文章を聞いていると完璧、模範ケア生として冊子でも作りたいくらいに感じますが、そういうふうに文章を作っていくのではなく、生の自分を語った時に出る自分を知ることが大切なのです。その逆もあって、文章を発表するとボロが出る場合もあり、それはネガティブな人の発想です。
僕の場合は文章を作りません。僕が生の言葉を語ると、今までの自分の思考を超えた自分に出会えます。それは隠し味というか、今のしゅうくんの文章を聞いている限り、それは出てこないものです。日記は日記でいいのですが、そろそろ次の段階に入ってもらいたいと思います。

みかこ:今までケアの人が発表で日記を読むのはなかったように思いますが、しゅうくんのその奥の心は何だろう?

いさどん:日記に書いたことは自分の中から出てきたことだから、生で語るより省エネというような捉え方です。しかし、「書く」と「語る」のモチベーションは違います。整理して書くよりも、生の言葉で語ることにより、新しいことが生まれる可能性を育てることが大切です。

みかこ:その場で話すというのはライブ。恐い半面、ワクワクする。話す前はこれを言おうと思っていたことが、話すと全然違ってくることもある。それを面白そうと捉えられるといいなと思います。

しゅうくん:今までは上手くまとまらないとみんながわからないかなと思っていました。

みかこ:さっきのシェアの内容がそのままで、主役をえごまから自分の心の奥にする臨機応変さを持てたらいいなと思いました。

ファシリ:これはそこまで出来たからこそのプラスアルファだと思っています。

いさどん:順調に進んでいる証拠です。

2012年7月24日

午前は畑に出て、午後は自分史を書いて過ごす。ノートの最後の方から書き始めたが、想定よりも書く量が多くなり、ノートに紙を付け足していた。

【7月24日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日言われたとおり、今日は何も見ないで発表しようとしてドキドキしています。日記を見てシェアするのは恐いから。心の癖だと思っています。よく見えるからこそ、一歩進むのが恐いです。でも、そこを出さないと新しい世界が見えないと思っています。昨日の大人会議でのともちゃんのシェアのときに自分を重ねて見ていて、客観的に見たら、自分と重ねることが多くて、自分がこうだから相手もそうだろうと思う自分に気付きました。皆は常に心の振り返りをして調和的な場をつくっていて、そして、精神性を高めることが大事だと分かっていて、ともちゃんにそれを気付いてほしいと昨日の場で皆は伝えていました。そういうやさしさなんだと気付きました。自分の今後を考えると、ここを離れて社会に出ても、自分で気付きと振り返りをしていきたいと思っています。ここは皆に言ってもらえるからいい場所だと思っています。課題を一つ一つやっていって、気付きと振り返りの人になりたいです。
別件で、知的障害者施設で男性同士で性行為をしていることを聞いたことがあります。潔癖なところがあるので、知的障害者と聞くと、うっと思う自分がいます。偏見の目を持っているのが自分でも嫌です。どうしたらいいでしょうか。

ともちゃん:解説してもらってありがとうございます。

まり姉:シェアすることをドキドキするのも、明日にならないとそれがずっと続くのか分からないと思います。慣れてくるだろうし、ノートを読まないでシェアするのは続けたらいいと思います。

いさどん:知的障害者についてですが、一つの事例から全てをそのように見るのは貧しい世界の見方です。そういうことなら、この世の人間を全部不信で見ないといけなくなります。私たちがここで障害者を預かると一般の人はそんな危険な人たち、と言います。近所に挨拶に行くと、怪訝な顔をされることもあります。健常者の方がよっぽど隠れて悪いことをすることもあるのに、そういうレッテルを張っているのです。それは、自分はやさしくされたいのに、人を傷つける考え方です。

ちなっぴ:私は障害者と接すると近いものを感じます。

ようこ:しゅうくんとSくんの二人におさらいですが、大人会議で発表するのはプロセスのひとつです。二人ともケア滞在がそれそれ2週間、3週間となり、今は生きる力や人間力をつけることがテーマです。ここでも外でもハプニングが起きたり、ネガティブな感情は湧きあがってくるものです。そういったときに一人でどうやって対処していくのか。もしくは、周りの力を借りて安定を保っていくことをここで練習しています。今の正直な気持ちを表現して次回に生かすという人間力の練習にはとてもいい段階にいます。素の自分を出しながらどう対処するのかを学んでいってほしいと思います。

みかこ:しゅうくんは完ぺき主義的になってしまうのがテーマだと思います。壊して未知の世界に飛び込む大切な段階にいると思います。

しゅうくん: 排他的な部分があるので、殻を破って偏見をなくしていきたいです。

いさどん:これまで、しゅうくんは行き詰って薬を飲んできました。「一生薬を飲まないと治りませんよ」と医者が言い、そして精神障害者と診断される。そうやって人生を歩んできました。この世の真実とは、人間の営みの結果、生態系が壊れていき、人間たちが自ら望むことを実現していくと反対の現象が起きるようになっています。競争社会では鬱病が出て自殺者が発生し、この社会をつくっている勝ち組は成功者でまともと言われますが、ある意味障害者でもあるのです。自然から見たらそういう世界はありません。人間がある意味異常な状態をつくっているのです。人間が一体何者であったのかを立ち返るために、今の状態を見せてもらっているのです。
この世界は進化する流れにありますから、縄文時代に帰るわけにはいかず、どこに立ち返るのかを模索している段階にあります。私たちもこの世からするとある意味異端であり、障害者とも言えるのです。そうすると、誰が障害者かという基準はなくなっていくと思いませんか。

2012年7月25日

午前中はかぼちゃの収穫、午後は自分史を書いて過ごす。今日で自分史は書き終らせた。
かぼちゃの収穫の最中も様々な心の動きがあり、それを手放す練習をしていたようだ。
(日記から「疲れていると雑になったり、意識が低下しているのに休憩と言い出せなかったり、今作業をしていることであっているのか不安なのに作業内容の確認を言い出せなかった。」)

大人会議では自らのシェアの他、子供に対するシェアやともちゃんのシェアに対してもコメントをしていく。その人らしさを尊重することの大切さを述べたもの。積極的にミーティングに参加し、その場に溶け込んで楽しんでいた。

【7月25日の大人会議にて・今日の気づきと自分史を書き終わりました】
昨日、偏見についてシェアさせてもらって、いさどんに言われてわかったことがあります。なぜ自分は偏見を持つのかを考えて思いついたのは、自分はこの人汚そう、合わない、怖そう、ダメだと思うと、枠をつくって偏見を持ってしまうということです。自分史を書いていて思ったのが、そう思うとびったりで、嫌だと思うと相容れようとしなくなる自分に気付きました。
障害者だけでなく、いろんな人にそういう判断をしてしまう自分がいました。父親に対してもそういうことがあって、彼のあとにトイレに入れなかったりもしました。今まではそういうことに気づいていませんでしたが、自分史を書いていて気付きました。ひとつ嫌になると、その人のすべてが嫌になる癖があり、それはすごく直さなければいけないと思っています。そうしないと貧しい世界に暮らすことになって、自分磨きが出来ない。この癖には常に気を付けていきたいです。
ここ5日くらい自分史を書いていましたが、今日でまとまりました。10ページくらいあります。そこでいろいろ振り返って、こうしたらもっと良くなるというのもすごく出ていて、自分史を書くことはすごくいい気付きになりました。

ひろっち:気付くと解放される。毎日でなくてもいろんな気付きを経て、ここで過ごしている。ケアの人同士が良い意味で刺激し合っているのが感じられて、しゅうくんの発表は嬉しかった。しゅうくんの卒業式はいい場になりそう、と楽しみです。

かずこ:しゅうくんの場合は自分史を書くプログラムが与えられて、自分を掘り下げて深く癖を見つめる機会が与えられました。自分の内側を見るたびに癖を知ることになるのは、気付きが深まっていき、いいことだと思いました。

なかのん:自分史の途中経過を読ませてもらっていたのだけど、細かい気付きがしっかり書かれていました。彼の歴史の中での細かい心の動きが一本のラインになっていて、いい振り返りになったと思います。ご苦労さまでした。

いさどん:ケアという立場でここに出会う人が、それ自体、何か問題事に出会ったように受け取るかもしれませんが、ハンデに出会うということは、そこを乗り越えたときそれをバネにして、より進化できると捉えています。この世界で問題事に出会うことは、問題事をバネにしなさいということだから、扱い次第なのです。
人生に何も起きないことが豊かな出来事をもたらすのかというと、起伏によって大きなダイナミックな喜びがあるのですから、問題事は悪いことではないのです。悪いのはそれをそのままにして、そこに行き着いた原因を知ろうとしない姿勢が問題と言えば問題です。生きているときには、心の状態に相応しい出来事をもらいます。それは次の生に向けて充実しなさい、という追い風なのです。それを追い風にした人は、もらったハンデの分豊かな世界に生きられるようになります。苦痛を味わった分だけ喜びをもらい、喜びに有頂天になっていれば、また苦痛をもらうことになります。
お釈迦様は中道を説かれましたが、それでは世界が止まってしまうから、起伏を楽しむのも人生なのです。それを楽しめるような余裕のある人生を楽しんでくれたらいいと思います。

ようこ:ちょうど二日前にいさどんと話していて、「しゅうくんとSくんは卒業の見極めが難しいね。二人とも優等生的なところがあるから。でも、そろそろ次の人も来るからね」と話していました。でも、今日の二人のシェアを聞いていると、二人とも自分の道を自分で歩む人というたくましさを感じます。しゅうくんはかっこ良さにこだわっていたけれど、それよりも優しい方が似合うと思っています。数日前から日記を読まずに発表することを始めてから、気負いが抜けて、内から湧き出る優しさを感じています。そういうふうに周囲に優しく接することができたら、元々の保育士の職場に戻っても活かされるだろうと思います。

2012年7月26日

1日畑作業で過ごす。夕方、畑作業から帰ってきた時、相談にのってほしいと話しかけてきた。内容は以下の通り。

(しゅうくん)
昨日、30日の川遊びのために誰かから水着を借りると言った時、いさどんが冗談で「病気がうつるよ」と言った。それが気になって気になって仕方がない。今までだと、これが理由でもう川へは行かないとなる。どうすればよいか?これはもう大人会議には絶対に言えない。
(なかのん・2点アドバイスをした)
1、病気になっても構わないという気持ちになる。この世界に生きとし生けるものはもともと一つ。死んでも一つに戻るだけ。大いなる存在に委ねる死生観に立てば、何が起こっても大したことではない。
2、一つ一つ行動することで大丈夫ということを確信していく。
そして、無理にとは言わないが、大人会議でシェアしていくことを勧めた。皆が笑ってくれるので。

【大人ミーティング】
「水着から病気がうつるのでは?」の内容をシェアする。みんなから爆笑を得ていた。あと、ホームシックになったこともシェアをした。

【7月26日の大人会議にて・ダメダメでした】
今日の子どもMTGの時に「子どもから学ぶ姿勢が大事」といういさどんの話がありました。僕だったら、3歳のなおにどんな指導をしたかを考えました。保育士として子どもから学ぶ姿勢を忘れたらいけないと思いました。
別件で、今日1日働いて、今までの気付きをどれだけ落とし込めているかを考えてみました。偏見があったり、疲れたときに無理したり、潔癖や不安を感じました。自分の中で処理出来ないことがあって、昨日、30日の川遊びに参加するのに誰からから水着を借りなきゃという話をしていたら、いさどんが冗談で「病気がうつるよ」と言ったのを今日1日気にして囚われていました。もともと僕たちは一つだったのに、我で見ている自分がいました。大きな視点で見て、不安に立ち向かい、行動するしかないと思い、水着をはいてみるとか(笑)。Sくんは借りる水着がビキニだったらどうしようと言っていて、僕も不安になりました(みんな、笑)。
あと、自分がホームシックになったのを振り返ったら、家庭は甘えて逃げられる場所だということに気付きました。昨日、Sくんが覚悟して頭痛を治すと宣言していたので、僕も不安などに取り組む必要がある、覚悟を決めなきゃと思いました。家に帰っても心磨きを続けていきます。

みんな:大爆笑!!

いさどん:これまでのしゅうくんなら、やる前にネガティブな結論を出してしまっていましたが、今は、やってみようという姿勢です。その結果を頂いて振り返り、決め付けがないから学べるのです。行ってみて結果をもらうのは、真実を学ぶということです。それには覚悟がいります。結果が連続して過去になり、未来はいくらでも想定できるのです。しかし、そのためには真実に向き合うたくましさが必要です。多くの人たちはそれをごまかして生きていくものです。今日はしゅうくんから歯切れが良くて潔い話が聞けました。面白くて明るい。しかし、これは躁鬱の躁ではありません。いいかっこしいのSくんが大事に気付いて、その喜びでテンションが高いように、今のしゅうくんの感覚は持っていてもらいたいと思います。しゅうくんの自分史を読ませてもらって、卒業の見通しを立てたいと思っています。2人を見ていると、タイプは違いますが、なんとなく双子みたいです。互いに励まし合ってやっていったらいいと思います。

みかこ:ふたりが同時期にケア滞在をしていたから、成長が早かったんだろうなと思います。2人の振り返りがファミリーに影響を与えてくれています。ケアの人の常に振り返る姿勢が、みんなのお手本になってくれています。

いさどん:ここに今、とても大事な事が起きています。ここで行き詰まりから開放された人たちは、従来ならこれから本当の人生を生きることになるのですが、これからの人たちは時代とともに役割を果たしていく時期に来ていると思うのです。自分の人生だけではなく、多くの人に大事を伝える力になっていく人たちです。2人は外にいても同じ活動をしていく人たちだと思っています。良い人生を生きる以上に、価値ある人生を生きることになるのだと思います。他者の喜びが自分の喜びになる、時代はそういう時代になってきました。

ようこ:今の2人の顔を見ていても、私たちの同志だなという感じです。今までのケア滞在者とも違う感じがしています。

なかのん:しゅうくんが水着の相談をしてきたときに、大人MTGでシェアするように言ったら笑いが出てよかったです。成長する姿を見るのはありがたいです。

まつ:メンバーからのコメントもケアの人に対する通常のコメントを超えていて、本当に僕たちの学びになっています。

かずこ:面白いです。姿勢は自分でつくっていて、毎日テストがやってくる。今回もそれが出てきたときに、それを笑えるというふうに出してくれてよかったと思っています。

2012年7月27日

1日畑で過ごす。大人会議では一日の出来事からの振り返りを報告していた。

【7月27日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日の疲れがあって「1日持つかな?」とか、「心の癖が出るんじゃないか」と思ったけど、あれこれ考えすぎず、ちゃんと自分と向き合っていくことで、落ち着いて作業が出来ました。今日は大きな癖が出ることなく、淡々とやれました。最近「勇気」というのが大きなテーマです。今まで大きな行事に参加することが苦手で、そういうものを楽しめない自分がいましたが、よく考えるとそれは自分が世界を狭めていたと思います。これからは、そういうイベントにも積極的に参加することで変えていけるんじゃないかと思っています。これは大きなテーマだと思っています。

こうちゃん:一昨日、夏祭りに出てみてどうだった?

しゅうくん:すごく楽しかったです。出てみるものだなと思いました。

かずこ:作業を淡々とやるのはいいなと思います。しゅうくんはいつも色々なことを考えているんだなと思っています。だから、あまり考えずに、作業に没頭するのもいいと思います。

Tちゃん:今日しゅうくんと久しぶりに作業で一緒でしたが、すごくおだやかでリラックスしていました。「自分壊しを真剣にしたい」と言っていて、しゅうくんはそれを実際にしていると思いました。

2012年7月28日

疲れているということで、1日ひまわりで過ごす。
今日は、共にケア滞在をしていたSくんの卒業コンサートがあった。その場でコメントを求められた時、淋しいと言って号泣していた。
大人会議ではそのことについてしっかりと振り返りをシェアしていた。

【7月28日の大人会議にて・一日休んで】
一日フルに働いて肉体的に疲れが溜まったので休んでいました。疲れが溜まると、日誌を書きたくないとか無気力になります。社会に出るとそういうこともあるので、仕事と気力のバランスが必要になると思っています。卒業から逃げる自分があり、疲れるとそれが出てきます。楽しいことでも、「しなくちゃ」とか「こうしなきゃ」という思考になり、キャパを超えることもあるので、捨てられるものは捨てていきたい。その判断が出来ない自分がいて、「疲れていても大人ミーティングに出なきゃ」と判断出来なくなります。欲張りすぎな自分だと思っています。判断力を養えば、疲れがなくなってくると思います。

いさどん:人が自分のするべき目的を外していないとき、とても面談時間が短いです。みんなからコメントがないというのも良い状態だということです。そのままやってください。

2012年7月29日

1日畑作業をして過ごす。

【面談】
(しゅうくん)
ケアで過ごしていて、物足りなさを感じるようになってきている。早くいろいろなことをやりたい。今やっていることを実践で試してみたい。
(いさどん)
主役はあなただから、あなたが強く望むならば、卒業を妨げるつもりはない。ただ、こちらから積極的に卒業の段取りをする気にならない。直感だが、留まることにより見えてくるものがある。
今のあなたには、「出来てしまった」「達成してしまった」という心がある。しかし、道に対しては常に謙虚でないといけない。進めていくことよりも大切なのは謙虚な心。心の学びに終わりはないのです。
(しゅうくん)
分かりました。もうしばらくやっていきます。
(いさどん)
では、引き続き精度を上げるトレーニングをして行って下さい。これはあなたに設定されているハードルが高いということでもあるのです。「ここを卒業し、保育士になって問題なく過ごす。」あなたはそれだけで終わる人ではないと思います。木の花の大事をつかみ外にいながら共に歩み、この心を広げていく。そんな人になっていくイメージがあります。今はそのための熟成期間と捉えて下さい。
(みかちゃん)
これから人のシェアにも積極的にコメントをしていくことでみんなのために自分を活かしていってほしい。それが実践で試す機会となります。

【大人ミーティング】
面談報告をする。

【7月29日の大人会議にて・今日の思いと面談】
今日ゴマの間引きをしていました。ゴマ畑は特別な場所で気付きがある場所です。作業をしていて、自分史も書き終わって、これだけでいいのかなと物足りなさ、モヤモヤしたものがありました。これでいいのかなって、逃げたい気持ちもありました。今ケアでやれているのは、ここだから出来ている。でも、ここでの滞在を終えて、どれくらい自分が変わっているのかという実感を持ちたい気持ちもあります。いさどんから、「無理に引き止めることはしないよ」と言われたのですが、「なんとなくそういうタイミングではない」とも言われました。客観的な目で見てもらって、信じているので、焦って出ていく必要はないのかなと思いました。これからも日記を書いて継続して振り返っていく、自分の精度を上げていくことが課題だと思いました。自分の中で振り返りはうまくいっていると感じています。今までやってきたことを深める、地に足をつけることをやっていこうと思います。

こうちゃん:日常を淡々と送っていると、その中に気付きもあれば、気付きが少ない日もあります。そういう意味で、安定した日常が過ごせるといいんだろうなと思っています。

いさどん:最終到達地点は、心の目で見ることができます。心の目で見ると、引きこもっていたところから社会復帰して自立するのが当面の目的に見えますが、しゅうくんを見ていると、もっと先があると思っています。しゅうくんは社会活動家になるように感じています。個人でやるのか、集団の中でやるのか、いずれにせよ、より良い社会をつくっていくのだと思っています。保育士は子供たちに良い環境をつくる。それは人生の扉を開くキーになると僕は見ています。だから、単に健康になって仕事をして経済的に自立するということであれば、そろそろ卒業になるのですが、今は熟成期間だと思っています。深いところを見る、精度を上げるというところに取り組んでもらいたいと思っています。しゅうくんの未来に楽しみな絵を描いています。

なかのん:面談の中でいさどんから、「道に対しては謙虚でいたい」という言葉がありました。今、焦る気持ちがあって、それを留めることで気づくこともある。そうやって熟成していくというのがイメージできて、楽しみです。

みかこ:今日お昼ごはんを一緒に食べました。まっちゃんのように大きな出来事まで起こして振り返ることもできるけど、小さな事で振り返ることも出来る、という話から、そのことに物足りなさを感じているんだなと思いました。一つの見方としては、学びに終わりはないということ。今日の面談で思ったのは、人のシェアに対して見解を言っていくというのもいいなと思いました。この場に対しても、人に対しても、双方にとって良いことなんじゃないかなと思います。

いさどん:やはり道に対して常に謙虚でないといけないと思います。彼に対してだけでなく、みんなそのことを忘れてはいけない。このコメントをしゅうくんに言うのは、今のテーマ、先にまだ広い道があるからこそ、こういうコメントが出てくるのだと思います。それはある意味根拠のないことですが、僕の中からそういう意見が出てくるのです。信じていれば、頭で納得出来なくても進んでいけるものです。

2012年7月30日

朝、1時間ぐらい畑作業をした後、みんなで川遊びに行く。川では子どもと遊んだり、みんなでビーチバレーをしたり、Sくんと2人で「えっさっさ」体操を披露したりととても楽しんでいた。

【7月30日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日の自分の気持ちと心のシェアで言ったことを振り返ってみました。今まで社会でやったことをもう一度試してみたいのは本当の気持ちです。いさどんに言われた謙虚ということは、大切だと思っています。でも、自分の中でやりきったという傲慢な気持ちがあったかなと思いました。学び続ける謙虚な姿勢が、これからは大切だと思っています。その時期がもう少し必要だということで、昨日のいさどんのコメントから、まだ卒業の時期ではないと言われたと思いました。自分の中で、シェアをすることでいっぱいになっていましたが、相手の反応も観ながら発言していくことも大事だと思いました。
今日、汚い気持ちが出ていたのでシェアします。自分が優越感を感じていた相手が、自分よりも成長してくると、落ちていってくれるといいとか、嫉妬する気持ちが出てきます。今朝、Sくんが積極的だったので、そんな気持ちが出てきました。相手が落ちるといいというような想いがあって会話しているのが嫌だなと思っていました。基本的には自分を認めてもらいたい気持ちが強いので、そういう癖をだんだん手放せると良いなと思いました。

かずこ:そういうことは、なかなか言いたくないことかもしれないけど、こうして正直に出すことで自分の中にあるものを観察出来るし、溜め込まないので消えていくと思いました。引き続きやっていくといいと思います。

2012年7月31日

1日畑作業に出る。大人ミーティングでの発表は以下の通り。

【7月31日の大人会議にて・今日の気付き】
今日は朝、てんとう虫の駆除作業をしました。目にゴミが入ったのですが、なぜ起きたかを考えました。まず、一緒にやっていた二人のメンバーとのペースが違ったので、焦っていた。それから、僕とSくんは「ケアを卒業したらふたりで卒業生同士の心磨きの場を作ったらいい」と言われたので、「やらなきゃ」という不安が湧いてしまいました。それで作業に集中できなかったのだと思います。それに気づいた後は、集中して作業できました。
偏見の件ですが、軍手をコンテナから借りているのだけど、ヤンGの軍手をなぜか使いたくない、という気持ちがありました。こういう自分がいるな、と思いました。結局、他の人のものを使いましたが、Sくんと話したときに「自分の癖に気付いてもできない」と言ったら「気付いたらやるしかない」と言われて、そうだなと思いました。
昨日の大人ミーティングで気になったことがあります。自分はいろんな人からコメントをもらうと気付き、学びになるし、ひとみちゃんのシェアでいい雰囲気になったのも良かったと思いました。でも、寝ている人が気になります。学びの放棄でもったいないと思いました。

まこっちゃん:しゅうくんに質問です。ヤンGの軍手を使いたくなかったのは?他になくても、使わない?

しゅうくん:それしかなくても、使わなかったと思います。

いさどん:告白しますが、僕も人の手袋は使いたくない。特に汗をかいてそのままの手袋は嫌です。洗ってあったら使うけど、手袋は使い出すと手に合ってくるから、人のものを使っているとフィットしないこともある。フィーリングが合わないから、避けられれば避けます。靴なんかもっとそうです。自分の病気が人に移るのは構わないけど(笑)。

まこっちゃん:逆に、嫌なのに「使わなきゃ」という気を持ってしまったりするのでは?

みかこ:「僕は使いたくないと思ったけど、みんなはどう?」と聞いてみれば、すぐにみんなの感覚を知ることができると思います。

いさどん:今、Sくんの日記にコメントを書いていますが、「調子の良いときもあれば、コンディションも毎日変わるものです。そんな変化を楽しみながら、自分の力にしていきましょう」とコメントしました。しゅうくんのシェアについても同じことで、気分として人のものを使えるときもあれば、嫌なときもあるものです。当たり前に自分用のものがあるときは素直にそれを使えばいい。それはフィーリングの問題で、うっとしても、自己コントロールできれば神様からのゲームに勝てます。それができれば楽しめます。

メンバー:ヤンG以外の手袋があったら?

しゅうくん:こはるちゃんのとヤンGのがあったのだけど、こはるちゃんのは小さくで使えませんでした。サイズがあったら、使うと思います(笑)。

メンバー:そこだろうなあ、と思います。ヤンGだから、心が反応した。ヤンGという個性を認められない心がそこにあって反応しているのだと思います。何で認められないのだろう、と見ていったらいいと思います。

いさどん:しゅうくんのために、全部の手袋に「こはる」と書いておくといい(笑)。

しゅうくん:好き嫌いはあることなのに、潔癖症の方に持って行きすぎました。ある程度ならありなのか、とも思いました。人によって分ける心は持ってはいけないと思います。

ようこ:最近のしゅうくんの心のシェアタイムを楽しみにしています。一人のシェアで場がこんなに毎回盛り上がるのは珍しいことです。もともとのネタがなんであれ、自分の想いを正直にまわりと共有して、そこから謙虚に学ぶ姿勢があれば、どんな材料であっても楽しい話になると思います。「民族大移動」ならぬ、「民族大勉強」というか、みんなで学べる楽しい場をいただいていると思います。

ファシリ:ミーティングの場で寝ているのはもったいない、という話については、みんなで意識を高く持っていきましょう。

2012年8月1日

1日畑作業に出る。

【8月1日の大人会議にて・今日の気付き】
今日は疲れがあって思考停止状態でした。頑張る癖があって認められたい自分がありつつ、作業をしながら自分に向き合っている皆はすごい、そうなりたいと一生懸命になって、疲れました。高い意識があることはいいと思うけれど、自分の立ち位置を見て出来ることを一つ一つやっていきたいと思います。自分には気を張っているところがあるなと思っています。心磨きを続けたいけど、気を抜くと面倒でやらなくなるのではと恐くて気を抜けない自分がいます。もっと柔らかくなったらいいなと思っています。

メンバー:面談時にいさどんからテーマが与えられると思うけど、今のテーマは何ですか?

しゅうくん: 自分を見つめる精度を上げることです。

まり姉 :気を抜くとどうなるの?

しゅうくん:面倒になってサボりたくなります。

まり姉 :サボるとどうなるの?

しゅうくん:ダラダラして楽な方に流されると思います。

メンバー:気を抜かないでリラックスしたらいい。精度を高めるということも、リラックスしていたほうが心を確認しやすいと思います。

ひろっち:力まずやっていったらいいと思います。今は自分を磨く強化月間だと思うが、これからずっとやっていくことだから細く長くバランスよくやっていくことを探っていってください。

なかのん:ここに来てから毎日心のシェアをしているのは、地道でいいことだと思います。

ファシリ:さぼってもいい。自分の心にふさわしく現象が来るから、そこから見てもいいと思います。

しゅうくん:自分には「現象が来ないように」と思っているところがあるので、「来てもいいと思えればいいのかな」と思いました。

2012年8月2日

1日畑作業に出る。夕食後、話をする。話の内容は以下の通り。
①疑いの気持ちについて
(しゅうくん)
木の花の取り組みを信じているのだけれども、なぜか疑いの気持ちが生じる。
(なかのん)
なぜ、疑いの気持ちが出るか?それを生み出す心の種は?その時の心の状態は?
例えば、疲れていてやりたくなくなった時、それを正当化するために疑いの気持ちは利用できる。疑いが出るにはいろいろな理由があると思う。それを探ってみるとよい。
②大人会議でのシェアについて
(しゅうくん)
自分のシェアの内容がふさわしくないように感じる。ただの報告になっているように感じる。そして、こんなこと話していていいのか?という気持ちになる。
(なかのん)
毎日シェアすることは地道に努力で素晴らしいことだが、マンネリになっている可能性もある。敢えて違う行動をしてその時に感じる心の動きを見るのもよい。
(しゅうくん)
今日は特別なこともなく、シェアの内容がないなと思っていた。でもシェアしなくちゃいけないという気持ちもあって・・・
(なかのん)
シェアしなければならないという気持ちがあるのなら、やはりシェアしない方がいいね。特別なこともないようだし。

【大人ミーティング】
ケア滞在開始以来初めて自分の心のシェアはしなかった。しかしケア滞在6日目のIさんのシェアにはコメントをする。強迫神経症という共通点を持ち、共感が持てたようだ。ミーティングには積極的に参加している。

2012年8月3日

朝起きたら気力が出ないということで午前中の作業を休む。そして、そのまましばらく寝て過ごしていた。10時過ぎに部屋へ様子を見に行ったら、日記を書こうとしていた。だが、「なんか書く気が起こらない」とのことだった。「昨日、大人会議のシェアをしなかったことで、緊張の糸が切れた感じ。無気力。これはいつものパターン」と述べていた。そのまま午後も休みひまわりで過ごしていた。夜コンがあったが参加せずに部屋で過ごしていた。

【8月3日の大人会議にて・無気力モード】
今日は2件シェアがあります。一つ目は今、ちょっと疲れがたまって無気力モードになっています。心のシェアを昨日はあえてやめてみました。それで安心したというか、緊張の糸がプツーンと切れて、今日は作業に出たくなかったので休みました。うつのような状態になっているのかなと感じました。今はまとまっていないので、書きとめたことだけを言います。すべてをめんどくさい。人と目を合わせるのがいや。いらいらする。人のやさしさがつらい。自暴自棄etc・・・。今まで順調に来ていたと思うのだけど、今は自転車で急激に坂道をくだっているという感じで、それでぶつかったという感じです。今は心のコントロールが出来ていない状態で、作業もしばらく休もうかなと思っています。

いさどん:僕はしゅうくんのケアはとても順調に進んでいて、そろそろ卒業かなあと思っていたのですが、なぜかそれが言えないというところの結果が出たかなと思っています。しゅうくんは今までの人生の中でこれを繰り返してきました。これは誰のせいでもなく、自分で自分の首をしめているのです。今の状態は、自分に偽りなく語っている言葉を自分自身で受け止めるのではなく、外に対して投げやりに出している状態です。それを外ではなく自分に向けないとその癖はとれません。なぜ取れないかというと、この癖は後天的なものではなく先天的なものだからです。基本的に、視点が自分中心なのです。そこを見直し、他者と自分があって事がなっていくという、もう少し広い意識をもつことが大事です。

【疑う心】
数日前から自分の中で思うことがあって、なかのんには相談していました。木の花の精神性を高めるという考え方について良いと思っているのだけど、もう一人の自分がいて、変な宗教じゃないか、変な団体じゃないかということが、頭をよぎる事があります。自分の中でみんなを信じられない心が出てくることがあります。それで、自分の中に何かあるのかと考えたいのだけど、さっき言ったように今は自分をコントロール出来ていない状態なので、うまくやれていません。

いさどん:例えば、思うことを何でも出せばいいという人もいますが、礼儀(秩序)や大人の考えというものがあって、調和的な世界になるのです。ところが、無秩序なものがどんどん出てくると幼稚化してくるのです。自分の中から湧いてきたものをよく考えてコントロール出来るのが大人です。かっこつけないで正直を出して、その出したものを自分の中で考えて振り分けることをするといいのです。あなたはかっこつけすぎているものだから、吟味することをしないでやっていて、今回のような問題が出てくるのです。結局遠回りすることになっています。それは、せっかくやってきたことを台無しにしてしまうということです。それは幼稚な心では出来ません。理性を持ってコントロールしていかないといけません。あなたは先天性のそういう人ですから、取り組むのはとても大変です。大変だからこそ、真剣にやらないといけません。安易に「休むことはいいんだ」と言って休むのはいいけれど、自分を落とした状態のままではいけません。自由というのは秩序のもとにある自由でなければ有益なものにはなりません。そこを勘違いしてはいけないと思います。

みかこ:今の話はすごく大事だと思います。

いさどん:はじめのところで、そこが出てくるべきなのです。通常は、最初の一週間の自由に過ごすというところで好きなことをやって、それから問題点が出てきて、コントロールすべきところを見ていきます。それをしゅうくんは逆の順序でやっている状態です。

みかこ :しゅうくんにとって良い転換期になると思います。

しゅうくん:これはこれでちょうど良い時期に来ているのかなと思います。真剣に取り組みたいと思います。

ファシリ:休むことによって、わざわざネガティブスパイラルに持っていってしまっている印象を受けたので、ある意味、自分に負荷をかけるという形で取り組んでいくというのも大事なのかなと思います。

2012年8月4日

朝起きた時、作業に出ることを迷っていたが、畑に出ることを選んだ。昨日のミーティングについては、「疑う心についてシェアしなければよかった。でも仕方がない」ということを言っていた。
昼食は、しゅうくんの顔を見に来た両親と友人合計3人と一緒にした。両親は、しゅうくんの状態を聴いて、「いつもの展開。この状況を克服する方法を学んでくれれば・・・」と言っていた。しゅうくんは両親の顔を見れて嬉しそうだった。午後も畑に出て行った。

(母親から)
子どもの頃、しゅうくんのことをいつも褒めてくれるおばさんがいた。挨拶をするなど当たり前の行動をしているだけなのに、とても褒めていた。その頃から、褒められるように行動するのが癖になっているのでは?と思える。そして、疲れてしまうのでは?

【8月4日の大人会議にて・今日の気付き】
昨日は調子が悪くて、今まではそこで休むパターンが多かったです。でも、今日はそれをやめて、農作業に出ました。自分は何でも一人で出来てしまう事が多く、自分ひとりで進めすぎることが多くて、助けをもらうことが出来なくなり、つぶれてしまうというのが今までのパターンです。助けを求める方法が分からないし、意地もあります。自分のことしか考えられなくなってしまうのですが、実際は他の人の力があってこそ出来ているし、自分には感謝の気持ちがないことに気付きました。感謝や謙虚はすぐ忘れてしまうので、これからは意識して行動していきたいです。今日、家族が来て話をしました。しっかりやっていきたいです。

Sくん:しゅうくんは今日も農作業を休むかなと思いましたが、作業に出ていて、自分を変えたい気持ちが伝わってきました。

なかのん:ご両親が来て、しゅうくんが今無気力になっていることを、「いつものパターンだね」と言っていました。「この場でそういったことを話して、みんなにみてもらうことで成長していくといい」と言っていました。しっかり自分のパターンや克服の仕方を見つめていくといいと思います。

いさどん:物事は繰り返すことで深めていくことが出来ます。一つのことを一度でわかる人もいれば、10回繰り返してわかる人もいます。だから、身に付かずに繰り返しているのか、何度もトライして身に付けているのかを捉える必要があります。しかし、そこで楽観してなまけてはいけません。今は基礎トレーニングをしているようなものなので、将来実践していくためには今が大事なポイントです。今は100点を取ることを考えるよりも、地固めするためにダメなところが出てきたら改める、ということに取り組んで下さい。しゅうくんの中にはダメという感情が背景にある感じがします。どうするかはしゅうくんの選択です。

しゅうくん:気持ちが落ちたときは自分を見つめられないのですが、ここでしっかり今までのパターンを克服していきたいです。

2012年8月5日

1日畑作業に出る。

【25日面談】
~いさどんから~
ここ最近、作業を休んだり、木の花を変な宗教と疑ったり、幼稚な心が出てきていた。それらはすべてしゅうくんの魂の形から来るもので、27歳という年齢で一生を賭けて向き合う課題に今、向き合っている。
自由とは思うことをそのまま出すことではない。それでは幼稚化していってしまう。正直を出して、出したものを自分の中で振り返ることが大切。しかし、しゅうくんはかっこつけのため吟味を忘れてしまっている。ケアは信頼の上に成り立っている。それなのに木の花に対して疑問を抱く。ここを信じていないならすべての取り組みが意味をなさない。すべてを台無しにする発想。そんな幼稚な発想にふりまわされてはいけない。自然界のものは幼稚で美しい。しかし、彼らは悟りには至らない。自らの問題に苦しみもがく中で、人は悟りを求めてきた。問題が人を後押しする。昔は、悟りを求めるのは一部の人のみだったが、これは本来すべての人に開かれている道。しゅうくんはその道に立っている。
これからも、やることは変わらず、より精度を高めることだけ。そして、例えば、休むとしても衝動的に休むのではなく、自らの精度を保つために休む。そんなふうに自分をコントロールしていくことが大切。

【8月5日の大人会議にて・面談しました】
最初にみんなに謝りたいことがあります。以前、ここのことを変な宗教団体と言ったことは、本当にすみませんでした。それで、今日いさどんと面談をしました。幼稚な自分がいて、早く休みたいなとか、朝起きたくないなとか、わがままな自分がいます。それは自分が持っている魂の癖で、一生涯付き合っていくものと言ってもらいました。それをこの20代で気付かせてもらっているというのは、すごくありがたいことだと気付かせてもらいました。これから社会に出ていっても、それに向き合えるような心をつくっていきたいです。今の自分に出来ることは自分を振り返って深めていくこと。あとは、幼稚な心が出てきた時に自分でちゃんとコントロールできるように学んでいきたいです。しっかりやっていきたいのでよろしくお願いします。

いさどん:良い面談でした。あまりに良すぎて、みんなに聞かせるのはもったいないかなと(笑)。ケア滞在中の人に悟りについて話したのは、初めてです。しゅうくんには、ダラダラしないで早く卒業して、社会に出て挫折して、戻って来なさいと言いました。(笑、みんなから賛成のハンドサイン)

しゅうくん:本当にありがたい言葉を今日いただきました。ちゃんと噛み締めてやっていきたいです。

ようこ:今日のしゅうくんの発表している雰囲気がすごく落ち着いていると思いました。謙虚さが感じられて、落ち着いてきていると感じています。ここからが、しゅうくんの根深い業を有効な方向に活かしていくターニング・ポイントと思って、みんなで応援しています。

なかのん:しゅうくんは本当に自分の魂そのものから来るものと向きあっています。人によっては環境から来たテーマに向き合い、自らを磨いている人もいますが、その人の魂の形は残り続けます。それは自由ではない。しゅうくんは根本的なものに向き合うテーマを20代で与えられています。僕らは最終的には自分自身の本質に向き合っていくのだろうと思っていて、その根源的なものにすでに取り組んでいるしゅうくんはすごいなと思っています。そういう姿勢を見せてもらっていて、一緒に心磨きをする仲間としてやっていければいいと思っています。

2012年8月6日

1日畑で過ごす。

【8月6日の大人会議にて・今日の報告】
一日作業に出ました。サボりたい気持ちが出てきました。でも、作業に集中することで淡々と過ごすことが出来ました。毎日気付きがないと不安になる自分がいます。そこには評価を得たい心があります。毎日大人会議でシェアしたり、日記をしっかり書かないと卒業できないんじゃないかという気持ちがあります。リラックスして一日一日過ごしていきたいです。

じゅんじー:目の前のことに集中して一つずつやっていくことだと思います。しゅうくんの傾向として、どうしても心があっちに行ったりこっち行ったりしてしまうので、しっかり目の前に集中することです。

2012年8月7日

午前中は畑、午後はひまわりで過ごす。午後、相談があると話しかけてくる。内容を聴くと、作業中、不安が沸いてきて止まらないとのことだった。今までの課題通り、魂の形から来るものだということは本人も自覚していたが、どうしてよいか分からないようだった。
「しゅうくんは初めはテンション高くやる気を出して課題に向き合うが、力尽きてやる気をなくす。それを繰り返して来ているので、またテンションを高くしていくのは違う。そうではなく、力を抜いて、淡々と課題に向き合い、不安を楽しめるように、持続可能な形で課題に取り組んでいく。そういう姿勢を新しく形成していくことが大切で、戸惑いがあるのも当然だと思う」と伝えた。

【8月7日の大人会議にて・心との新たな向き合い方】
8月3日に気持ちが落ちて以来、自分を押して毎日作業に出ていました。魂の形から来る不安が出ていましたが、客観的に観ていました。心がモヤモヤしていて、今まで出来ていたことも頭が真っ白になっていたのでなかのんに話しました。これまではテンポよくやってきましたが、今落ちている状態で心を見つめています。落ち着いた状態で見ていると思っています。「冷静に、力を抜いて、持続可能なやり方で見ているのかもね」となかのんが言ってくれました。これはこれまでやったことのないやり方です。「次のステージに行っている」と言われたのはそういうことかなと思いました。
あと、子供MTGでも話しましたが、みことちょっかいをよく出しあうのですが、今日絵を描いていたみこにちょっかいを出したら、えんぴつを向けてきて危険だったので注意しました。それまで鉛筆には気付かなくて、自分の心の状態もあって未熟さを感じたので、気をつけたいです。

なかのん:来たばかりの頃はテンションが高く、その姿勢で振り返りをしていました。それで疲れたのだと思います。それではこれまでと同じパターンなので、続けられる状態でやれることが大事だと思います。不安が出るのは魂の形からしてもあることだから、楽しむような感じで向き合えるといいねと話しました。

いさどん:振り返る時間を持つのは大事なことですが、そればかりだと理屈でマスターすることになってしまいます。ここのケアが成果を上げているのは、日常の作業と心の振り返りがセットになっているからです。作業と振り返りの両方を使い分けて取り組むことが大切です。コツをマスターするためにそれをやっているのなら順調ですが、目の前のことに翻弄されてしまうとそのマスターが難しいので、自己コントロールを意識することが大切です。その時の自分の状態によってそれをやる・やらないということではなく、普通に社会生活を送る上で落としていけるような状態をつくることです。調子が悪くてもスケジュールはこなせる、そして調子が良いからといってやり過ぎないことです。自分の状態に翻弄されている状態から、押してやれるだけの冷静さと自己コントロールを身に付けることが最終目標だと思います。

ファシリ:不調の時こそ学びがあると思います。

いさどん:不調の時こそ、それを見つめて進めていく。無理をするのではなく、自分を掴んで行動につなげていく、すなわち人間力を身に付けていくということです。

しゅうくん:状態の良い悪いで判断せずに、自分と向き合っていきたいです。社会に出た時を想定して、心を見つめることに専念したいです。

2012年8月8日

一日、こうちゃんと一緒にかぼちゃの選別などの作業をする。

【8月8日の大人会議にて・今日の気付き】
今日はこうちゃんと一緒に作業をしました。かぼちゃの選別をしていましたが、こうちゃんの野菜に対する姿勢がとても優しく、自分はそういう姿勢が足りなかったことに気付きました。午後のじゃがいもの選別も作業的にやっていて、そういう気持ちを向けていくことが大事だと思いました。野菜に向ける気持ちがあれば、人にも優しくなれると思います。夜に、廊下を歩くときの足音がうるさいと注意されたことが3回ほどあります。そうした気遣いを今後もしていきたいです。

みちよ:こうちゃんのそういうところに気付けたことが良かったと思います。以前、ようこちゃんが木の花に来てめざましく変化していった時に、みんなが「どうしてそんなに変わったの?」と聞いたら、ようこちゃんは「みんなの良いところを真似しただけ」と言っていたことを思い出しました。たくさんの人がそれぞれ違った良いところを持っているので、みんなの良いところを取り入れていってください。

2012年8月9日

1日畑で過ごす。先天性鬱を生涯定期的鬱病と捉え、鬱になった時は、その状態を認識し、無理をせず出来ることを淡々とする態度が大切という気付きを得る。

【8月9日の大人会議にて・先天性鬱というもの】
最近心の状態が落ちてから、何も考えられない状態が続いていました。先天性鬱と言われたことが閃いて、将来定期的に鬱があるのかなと思いました。今は感動がなくて、鬱の状態に入っているのかなと思って、そういう時は正常な判断ができないので、無理せずに、孤独感やイライラ感がある状態だと認識しようと思いました。そう思ったら、楽になりました。心の状態が落ちた時は来たなと思って目の前のことをやるとか、頑張り過ぎなければ、調子も上がってくるのかなと思いました。あと、ハイな状態の時も心のバランスをとっていくことが重要かなと思いました。

いさどん:さきほど、魂の形として三文字中性12分の12の話が出ました。彼らはほとんどうつにならないし、ハイテンションにもならないが、冷たいところがあります。自分に問題がないから、問題ある人の気持がわからないという傾向があるのです。しゅうくんの話を聞いて、しゅうくんが自分の魂の表現に出会ってそこに浸かっている時はとても生きづらい。使い方によっては自分を苦しめる癖を、自分から一歩外に出て見てみると、個性にもなるのです。使い方次第では問題になったものを、その逆をやれば知恵をもらったことになるのです。12分の12の魂はさっと分析して粛々とやってしまうので味気ないとも言えます。多様性の世界には色んな人がいて、そこから学んでいくことによって喜びや進む道を見つける作業をしているのです。しゅうくんはそれに気付いて、自分をコントロール出来ます。もともとの魂はそうでないのですが、しゅうくんは12分の12のようなバランスを身につけてきたという意味では、もともとバランスの良い魂より優れていると言えるのです。
ここの近くに大石寺があって、日蓮の教えを説いています。その教えの中に、僧侶として道を行くよりも、荒凡夫として道を極めた方が尊いというのがあります。僧侶は教えを衆生に伝えるものであり、それにふさわしく日々を生きるものです。そういう世界だけを素晴らしいと衆生は言いますが、それよりも在家の人生で色んな垢にもまれながら(これを荒凡夫と言いますが)、真理に目覚めるほうが価値があるのです。それはまさしくこういった生き方のことです。私たちは在家でありながら、真理に目覚めようとしています。出家のような意識を会得していこうとしているのです。しゅうくんもその領域に来ています。しゅうくんの分析力をもっと多様に広げて、慎重に、常に謙虚に学んでいくことです。傲慢になれば道は外れます。先が楽しみですね。当たり前に起きる出来事よりも、奇跡が起きるほうが楽しみだと思いませんか。

2012年8月10日

午前は畑作業、午後は畑作業後、畑隊として夏祭りの準備。夏祭りでは畑隊の出店を手伝ったり、出し物に参加したりと活躍をしていた。急遽、「えっさっさ」体操を披露して欲しいという要望が出たが、それにも応えて、場を盛り上げていた。

【8月10日の大人会議にて・今日の気付き】
今日カトケンと自分には鬱気味があるという話をしました。さっきシェアをしたケアのKちゃんのように、人の中に入っていけば見えてくると思いました。それと、情報として伝えることの難しさを感じました。コミュニケーションが取れなかったり、滞りがあったりなど。たとえば、今日あるメンバーが道具を忘れるのも滞りの一つではないかと思ったのですが、僕には感情が入っていないかとか、思い込みじゃないかとか、遠慮とかを考えると、情報で伝えることは難しいと思いました。でも、今日は伝えることができて良かったです。

メンバー:そういうことだったんだよと伝えてくれて、とてもいい視点だったと思ったし、伝えてくれてありがとう。しゅうくんの魂の形がマイナス1だから、その視点があると思い、一般の人では出来ないところをやろうとしているしゅうくんが偉いと思いました。

いさどん:分析は出来ているから、現実の自分の姿勢に落としていくことが大事です。生活の中で実行していくことです。

2012年8月11日

1日畑作業に出る。

【8月11日の大人会議にて・自分の魂について】
ケア滞在中のH君と作業をしました。ドキドキしました。彼はまだ慣れていないので、責任感を感じたし、焦ったところもあります。自分の癖が出たと気付きました。作業中に一緒になった人たちと魂の陰性・陽性について話をしました。僕のようにマイナス1の魂は勝手に気分が上がったり下がったりする、と。魂のことについていろんな気付きがあって、魂の形のことを気付けるようになったら、愛しい大事なものという思いが芽生えました。昨日の子供の件で、あやちゃんたちに対していさどんからもっと深いところへの指摘があって、自分も保育者になったらトラブルにぶつかったときや相手の家庭に入っていくとき、どうやったらいいかを考えました。不安はありますが、とりあえずその思いはおいておきました。自分は心磨きをしていって、正しい視点を持つことかなと思っています。

いさどん:だいぶケアの日数もこなしてきて、日常の会話の中から自分の内面を見つめ、発見する作業はよく出来ています。とてもいい状態です。ケアに来てテーマをもらっているからこれが必要なのではなく、誰でもそれをすることが大事なのです。私たちは思考を生み出す種を持っていて、それはひとりひとり個性的です。思考が生まれて、確実に行動につながるものですが、その行動に対して環境や他者が反応します。反応することは、発信した自分の心に反応しているのだから、この世界は鏡のような世界です。振り返らない人は人のせいにしますが、まずは自分が何を発していたか見なおしてから、相手を見ることが大切です。そうすれば、人は出来事から学ぶことが出来るのです。他者のせいにしている人は進歩しません。そして、人間関係や環境はどんどん悪くなっていきます。しゅうくんが言ったことは、まず自分を見つめるために出来事を使っています。自分の癖に翻弄されていた以前と比べると、随分進歩したと思います。次の面談で、「はい卒業!」となるのかな?(ようこ:しゅうくんの面談は明日です。)面談は明日?では、そろそろ卒業ですね、と言おうと思います。
子供の件に対するコメントですが、しゅうくんは自分の職業への姿勢がしっかりとしているからこそ、そういうコメントが出来るのです。以前なら自分もそうなったらどうしよう、と自滅していたことでしょう。自分にストレスを増幅する傾向だったしゅうくんが、今は前向きにとらえて今後に生かそうとしています。現象の奥にあるメッセージを読み取るには、コツがいります。それは物事の背景を冷静に体系化して捉える。情報として整理する。出来事の経緯をよく理解できたときに、それが出来るのです。普通は自分に近い・遠いとか、損得が入り、そのときは人智でしか結論が出ません。そういった立場を抜きにして考えると、気付きが出てきます。それは宇宙の法則であり、自然の姿であり、神の意思・天意なのです。どこかにとらわれていない心で客観的に分析していくと、気付きになります。とらわれないで正直に表現すると、物事は解決していき、トラブルもいいことになるのです。そういった実践が必要です。自分でチェックをいれながら、とらわれない道を掴んでいくことです。社会に出ると、ここのような配慮がないところでの実践になります。今日のしゅうくんのシェアを聞いて、卒業をぼちぼち言いわたすことを考えたので、秘蔵の手を伝授しました(笑)。わかったつもりにならずに実践で身につけてほしいと思います。

しゅうくん:最後に大事なことを教えてもらいました。実践でしか身につかないと思っています。不安はありますが・・・。

いさどん:どうしても心の出発点がネガティブスパイラルなのがしゅうくんの特徴です。先が見えないのが不安になるか楽しみになるかは、右に行くか左に行くかの違いです。しゅうくんはわざわざネガティブな方に行くのです。これは単なる法則にしかすぎません。自分の中に癖があると、なんでもマイナスに考え、明るいところが必要なのに暗く考えています。そういった自分の構造を知らなければいけません。

2012年8月12日

1日畑作業に出る。

【面談】
『癖に振り回されるのではなく、コントロールしていく』ことを確認し、卒業が決定される。しゅうくんが両親に電話をし、両親が来る19日を卒業の日とした。

【8月12日の大人会議にて・卒業決まりました】
面談で卒業が決まりました。19日に両親が来ます。それまでの1週間、半日子育てチームに入ります。 いさどんからは「癖に翻弄されないように自己コントロールすること。心磨きは卒業後も生涯続けることが大事だよ」と言ってもらいました。

なかのん:しゅうくんは人間が生きる上での本質的な学びをしました。こちらも勉強になりました。ありがとうございました。

いさどん:本人の姿勢がいいと面談時間は短いものです。僕の昨日の大人会議でのコメントがしゅうくんへのアドバイスのすべてです。「あれは人生の終末を迎えるまでの原則だね」と話しました。卒業したら家に帰って、天職のような保育士に戻る。そして、早く挫折して、ここに戻ってくる・・・ということを何度も本人に言いました(笑)。そこまで言われるからそうする人と、それを追い風にしてそうならない人。どちらでもいいと思っています。未来は明るいです。

ようこ:この1ヶ月間のしゅうくんの心のシェアは、私たちにとっても大きな学びでした。しゅうくんが自分の魂の形の学びをしてからは、面談でいさどんから悟りの話が出たり、大人会議の場でメンバーにとっても大切な姿勢の再確認の場になったりしました。そういったものをみんなにもたらすしゅうくんだったと思っています。ここででも、どこででも真摯に振り返る姿勢が人のためになります。私たちにとっても充実した1ヶ月でした。

まこと:しゅうくんは最初から最後まで笑顔で接してくれましたが、最初はテンションが上っている状態だったし、一人でいるときには暗い顔が見えて、向き合うべきことに向き合っていたのだろうと思っていました。そして卒業を迎えて、問題と向きあっていけるしゅうくんになったのがうれしいです。今日ここにいる新しいゲストに、強迫症神経症がどう変わったのかを伝えられるといいなと思います。

しゅうくん:20歳で保育園に就職して、潔癖症が強くなり、強迫神経症になりました。ドアノブが触れないし、お風呂にも入れないパニック状態が3年くらい続きました。そして、ここに体験ツアーで来て、先天性鬱といさどんに教えてもらって、ケア滞在を勧められました。僕は魂の形が先天性鬱で、汚れに不安や恐怖感を持つのは心の癖が生んでいるのだと気付きました。自分の感情が常に不安を作り出していることに自分で気付いてからは、それに向き合ってきました。家に帰ってからも、自己コントロールに挑戦しようとワクワクしています。

まこと :しゅうくんの学びはみんなの学びだったと思います。

かとけん:しゅうくんは日々目がキラキラしていったと感じています。大人会議でのシェアもみんなの心に響いて、みんなの学びになりました。チャレンジする姿が子供にも良い影響をもたらすだろうと思っています。

2012年8月13日

午前中は畑、午後は子育てチームに入る。子育てチームでは、小学校1,2年の子たちに勉強に教えてあげたようだ。その様子を子どもミーティングの時、コメントとして積極的にシェアしていた。

【8月13日の大人会議にて・子育てチームに入ってみて】
午前は畑で作業をして、午後は子育てチームに入りました。子どもと接する際に、これまでテンションを上げてしまいがちだったので、そこを意識してみました。小学生の勉強を見てあげたら、子どもたちも集中して勉強していました。小1のみこも一生懸命やっていたし、小2のゆいのこともあまり良く知らなかったけど、知ることが出来ました。子どもミーティングで、すぐにアドバイスを受けて正そうとする子どもたちの姿勢から、学ぶことが多いと思いました。

まり姉:今日はみんな忙しかったので、しゅうくんに子どもたちの宿題を見てもらいました。それを直接見てはいないけど、子どもミーティングでの子どもたちからの発表を聞いて、しゅうくんは先生らしいなと思いました。子どもに対する観察の仕方が一般の人と違って、教育者のような視点だと思いました。子どもに触発されて、自分も発言したくなったんだろうなと思いました。両者にとって良い時間だったのだと思います。

あつこ:はじめの頃、みこがひらがなの練習をしているのを見たら、ずれて書いていたのですが、しゅうくんが教えてくれた後は、しっかりとお手本どおりに丁寧に書いていて、しゅうくん効果だなと思いました。

いさどん:それを聞くと、早く挫折して帰ってきてください。(笑)

2012年8月14日

午前中は畑、午後は本宅で子育て。今日は大人会議での発表はなかった。

2012年8月15日

午前中は畑、午後はフェスタ上野という地域の夏祭りに参加。お手伝いを頑張っていた。

【8月15日の大人会議にて・今日の気付き】
卒業が近づいていて思うのは、ちゃんと身についているのかな、ちゃんと出来るのかなということです。不安を抱えていては悪い想念の方に向いてしまので、一歩踏み出して色んなことをもらって、一つ一つクリアしていく。与えられたことを行動に移していくのが大事だと思いました。これまでは先暗示とか未来や自分を所有している人生でした。今後は目の前のことを一歩一歩やっていきたいです。

いさどん:民ちゃんの日記を読んだら、ここは夏祭りの準備が自然に出来ていると書いてありました。人の心がスムーズに気持ちが通じていると、そういう世界が出来ます。今、何が必要なのか、そこに意識を向けると人が集まってくるし、段取りなしでは出来ないので予定は立てるけれど、気持ちが通じて阿吽の呼吸だから物事が進んでいくのです。過去や未来に囚われているとそれが出来ません。滞りがあってここに出会って勉強する場だからこそ、それが見えるし、ここがとても気持ちのよい場になるのです。外の人が見てもそのさわやかな空気を感じてもらえるということです。そうやって、みんなの気心が知れていくということです。それは同時に、今を生きるということでもあります。

2012年8月16日

午前中は畑、午後は子育て。

【8月16日の大人会議にて・良い空気を作るために】
昨日の大人会議でYさんがシェアしてくれた正直を出した雰囲気が良かったです。僕もそういう場の雰囲気をつくっていきたいと思いました。そのためにも心磨きを続けることと、正直でいることが大事だと思いました。正直、昨日くらいまで疲れがたまっていて、自分を振り返らずしてあの雰囲気を出すことはぜったい出来ないと思いました。これからもしっかり、自分の言動ひとつひとつから気付きを得ていこうと思っています。ここをもうすぐ卒業しますが、別の場所でも日々の振り返りをしっかりやって、社会の中でもああいう空気をつくっていきたいです。昨日のシェアを出してくれたYさんには感謝しています。

いさどん:現代社会というか、今の大人社会では、正直な場所はなかなかないものです。人がコミュニケーションを取る機会は多いのですが、それを避けている人もいたり、こんなに人が多くて出会いの機会は多いのに、孤独死のような現象があるのです。もともと子供たちが素直に育っていれば、正直な社会になります。
昨日のYさんは、変に大人になってためていたものをぶちまけたというシェアでした。本当は、常に軽いタッチで表現出来れば、もっと爽やかです。そこでしゅうくんが共鳴したのは、これまでしゅうくんは感情をずいぶんためこんだり、捻じ曲げたりして行き詰まってきました。そして、思い切ってここに飛び込んで、正直の大切さに気付いたという段階にいます。そういう経験があるからこそ、昨日のYさんのシェアに共鳴したのだと思いますが、これから保育の場に復帰するのであれば、そういう場をつくってもらいたいと思います。現実には、大人たちが子供たちに影響を与えてなかなかそうならないものですが、保育はしゅうくんの天職だから、ダイナミックな醍醐味を味わえると思います。
職業は自分が食うためのものと思っている人が多いのですが、「働く」とは「傍を楽にする」ということですから、健全な自分の役割を果たす意味で職業は天職でなくてはならないのです。自分をこの世界のために活かせるとしたならば、自分が向いている職場に戻れます。ぜひ、昨日のYさんのようにひねくれた子供が出すような場ではなく、純粋無垢な子供が出すような場所をつくっていってほしいと思います。

2012年8月17日

午前中は畑作業、午後は子育てチームに入る。卒業を3日後に控え、不安も出ているようだが、淡々と過ごしている。

2012年8月18日

午前中は畑、午後はケア滞在記を書くため、ひまわりで過ごす。今は、不安とかそういう感情以前に、ただここを離れるのが寂しいと言っていた。

【8月18日の大人会議にて・明日卒業します】

明日の卒業が決まって、明日親が迎えに来ます。旅立ちます。今日の午後、滞在記を書いていて、今日で滞在が終わりかと思うと寂しく感じました。楽しいケア滞在でした。明日は11時から面談、昼食、そして卒業コンサートの後に帰ります。今後も出入りさせてもらいますのでよろしくお願いします。

こうちゃん:行かないで・・・(笑)。

みちよ:毎日すごく丁寧に自分を振り返ってきた結果、さわやかになったと思います。その姿からこちらも学ばせてもらいました。先に卒業したSくんとともに優秀なケア滞在者で、多くのことを学ばせてもらいました。ありがとう。

ひとみ :しゅうくんはこれから社会でも生かされるだろうし、ここでも生かしどころがたくさんあると思います。どちらでもしゅうくんらしく生きていけば未来も明るいし、周りも明るくなると思います。しゅうくんの自分を見つめる姿勢が、私たちやもっと多くの人たちの希望になります。モデルのように旅立っていくことを嬉しく思います。ありがとうございます。

さっちゃん:保育士となるために応募するということで、目標があってすごいと思います。ここでの体験を子供たちにも伝えられるし、頑張ってください。またここにも顔を出してください。

まこと :卒業したからといって、スムーズには行かないこともあるだろうと思います。行き詰まった時こそ、ここで学んだことを生かしてほしいと思います。どうしても行き詰まったら、ここで皆が待っています(笑)。

(ゲストの方が14名来ていたので、しゅうくんは自己紹介をしながら、上手に自分のことを説明していました。)

ゲスト :どのくらい滞在したのですか?

しゅうくん:1ヶ月と1週間です。自分の持つ癖の中でも特に不安が強いので、作業中に色んな人に話をしたり、客観的に自分を見る方法を学ばせてもらいました。

ファシリ:学ばせてもらったとしゅうくんは言うけれど、私たちのほうが学ばせてもらった気がしています。しゅうくんが行ってしまうのがさみしいです・・・。いつでも帰ってきてください。

2012年8月19日

面談の時間までケア滞在記を書いて過ごしていた。

【最終面談】

ご両親と共に最後の面談の機会を持つ。

(今のしゅうくんの状態について・いさどんから)
自分で自分の振り返りが出来るようになっている。今までここで学んだことを反芻して生きていくことで、簡単ではないかもしれないが、やっていけるでしょう。しゅうくんの中には高い意識があるので、ただ自立するだけでなく、社会貢献の道を歩んでいくことになると思います。ご両親はそれを見守っていてほしいと思います。

(ご両親から)
母親:ここにしゅうくんが来る前、いろいろなことを私のせいにする発言があり、私自身が自分が悪かったのか?と反省することもあった。しかし、ここでケア滞在することによって、しゅうくんに自分を振り返る姿勢が育ってよかった。元気がないしゅうくんを見ていると気になってしまう。
(←いさどんから:人には人の事情があるので、見守ってあげる気持ちが大切。時には落ち込むことも必要。大切なのは本人の気付き。)

父親:ここに息子が来る前、1ヵ月ぐらい家で食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活をしていて、どうにかしてほしいという欲を強く持っていました。
(←いさどんから:人は自分のフィルターを通して物事を見てしまいますが、まずは自分のフィルターを知ることが大切です。そして、一人一人のフィルターの違い、事情を知り、辛い想いをしている人を理解し、その上で情報提供をしてあげることが大切なのです。)

(潔癖症について)
しゅうくん:自分は恐怖が強いから、過度に怯えていたのだと思う。
いさどん:潔癖症の人は周りが汚いというけれど、自分はどうかと考えてみたらどうだろうか。自分は綺麗なのだろうか?お母さんも何度もその言葉を伝えたが、伝わらなかったと言っていました。つまり、当たり前のことを言っても伝わらない状態だったということ。僕も当たり前のことを伝えるのですが、僕はその人の状態、辛さを理解した上で伝えています。そのことが大切なのです。

(今後のアドバイス)
しゅうくんの自分をコントロールしようとする気持ちは、周りから評価を受けたいという思いから生まれています。大切なのは、冷静な心でコントロールすることです。周りから受けようとする心を手放し、冷静に正直に、身の丈にあった自分を表現していくといいですね。

しゅうくんには「自分をわかってくれない」側に立つ傾向がある。しかし、自分は相手やみんなを理解しようとしているのだろうか?そこを冷静に見ると良いです。

エネルギーはニュートラルでそこに良い悪いはありません。ですから、構造を知ってエネルギーを健全な形で表現していくことが大切です。

未来は分かりませんが、瞬間瞬間に出会う出来事が答えです。その答えも、それを受けてどう生きていくかで変わっていくものです。ですから、「どうせこうだから」と決めつけることがないようにしましょう。

正直に生きていると、いろいろな人から情報が来ることになり、必要な情報が必要な時に得られるようになっていきます。

【卒業コンサート】

しゅうくんはケア滞在記をみんなの前で発表。ご両親からも感謝の気持ちが伝えられる。しゅうくんは子どもたちに囲まれながら、歌を聴いていた。そして、「夢の国」の時には子どもたちと一緒に踊っていた。とても楽しく穏やかな時間だった。

【ケア滞在記】

まず、今日卒業を無事に迎えることができたのは、木の花の皆が全ての面においてサポートを常にしてくれて、自分は心のことに集中させてもらいプログラムを受けることが出来たからです。特に、サポーターになってくれたなかのんには感謝の気持ちでいっぱいです。全体の経理、お金に関するミーティング、朝の送迎もこなし、朝は一緒に起きても寝るのは自分よりも後。そんな中で自分の話を聴いてくれたり、ケアのレポートを書いてくれたり、どんな時も気にかけてくれていたことが本当に有難かったです。

今回のケア滞在では、とても多くのことを学ばせてもらいましたが、その中でも自己コントロールができるようになったことが大きかったです。自分はここに来るまで自分の心と向き合い、把握し、自制することが出来ませんでした。元気な時は元気なままに、落ち込んだ時は落ち込んだりと、その時の気持ちや気分に合わせて自分の行動が左右されていました。そういった気持ちの波に左右されてしまうことが自分の精神的な病気にも繋がっていたことに気が付かせてもらい、そこをコントロールする方法を知識としてだけでなく、実践の中で身に付けさせてもらったことが1番の学びでした。

最初の面談で「先天性鬱」、何事にも不安や恐怖を持ちやすく、内向的であるため外に出さない、という魂を持っていることを教えてもらいました。まずは感情を正直に出すということをしていきました。今までは遠慮したり、変と思われたくないという気持ちから自分の中で気持ちをため込んでしまい、そういったことがたまっていくことで落ち込んでいくことが多くあったことに気づき、正直に出すことで、すごく楽になっていくのを感じました。それと同時にその感情がどこから来るのかを掘り下げることで自分の持ついろいろな癖があることにも気づけました。評価を得たいために頑張り過ぎる癖、偏見を持つ癖、カッコつけようとする癖、自分の思い込みで物事を判断する癖など。課題を出してもらった自分史を書いたことで、自分本位の癖や我が出ている時は物事がうまくいっていないことからも、自分の癖を見つめて、手放したり、枠を外していくことで、流れをよくしたり、新たな世界が広がっていくんだなと学べました。(自分目線ではなく大きな視点~ワンネス~を持つこと)

また、自分には鬱の症状が定期的に来る、逆に知らない間にテンションを無理してあげてしまう自分がいることに気づきました。常に中心にある心はぶらさないで気持ちの波を客観的に見て、冷静にその時の自分にあった対応をしていくことがとても重要で基本的なスタンスにもなることを感じました。特に落ち込んだ時や不安を感じた時はネガティブスパイラルにはまらないようにするためにも、心の中心をぶらさないようにしていきます。

少しずつ自分をコントロールできるようになってきたことで、安定してきたことを感じるようになってきました。しかし、今はケアの段階であること。仕事をする中で、コントロールするのが本来の目的なので、これからが本番。ここで学んだことがどれだけ実践していけるか楽しみです。

病気になったことで本来の自分と向き合えたことや生かしていく方法を学べたこと、そして木の花ファミリーやケアでいたSくん達、ヘルパーで来たたくさんの人たちと出会うことが出来て枠が広がったことを思うと、この病気も自分にとってすごく必要なプロセスだったと思えました。

これから保育者の職に戻っていきますが、子ども達がもっているものを引き出し、その違いを認め合っていける、そして生かしていける保育者になっていきます。また外に出ていても木の花のメンバーと同じように意識を高く持って、人のために自分の体を使っていこうと思います。

それでは行ってきます。

~みんなからのコメント~

なかのん:ただ一緒に過ごしただけなのに、感謝をしてもらえるのは、サポーターとしてとても有難いことです。しゅうくんはこうやって節目でけじめがつけられる人です。それはこれからの未来への希望に繋がります。お互いにとってこれは新しい旅立ちです。お互いに成長した姿でまた逢えたらと思っています。

のんちゃん:しゅうくんは「いさどんのようになりたい!」と強く言っていたことがあって、その志の高さに見習う部分があると思いました。しゅうくんはいさどんにはなれないと思うけれども、しゅうくんはしゅうくんとしてどんどん輝いていく道があるし、私たちもともに歩めたらと思います。

ようこ:最近、繋がりはとても大切だと思っています。しゅうくんが初めて体験ツアーでここに来た時、潔癖症や強迫神経症を抱えていて、「ああ、この人は自らまわりとの繋がりを切り離している」と思いました。でも、ここで5週間過ごしたしゅうくんは、人との繋がりを取り戻したのではないかと思っています。ここでの滞在での後半は、大人会議でもみんなに対して的確なコメントをし、私たちも多くのことを学ばせてもらいました。

お父さん:本人と家族だけの力ではなかなか立ち直ることが出来ませんでした。6,7年ずるずる過ごしてしまったのですが、本人が木の花を見つけてきて、ここで過ごして立ち直ってくれました。卒業してもすぐにはうまくいかないだろうと思いますが、本人が困ったときにはまたアドバイスをいただけたらと思います。本当にありがとうございます。

お母さん:本当に良いファミリーに出会えてよかったです。これからもよろしくお願いします。

お姉さん:弟が成長出来たのは本当に良かったと思っています。悩んでいる姿をずっと見てきたので、心の病を克服出来て本当に良かったと思っています。みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

~いさどんから~

問題事は、変化しないで来た自分を変えるとても良いチャンスです。変化を受け入れた時に新しい世界が生まれます。子どもの頃から大きくなるまで、新しいことに出会いながら、新しい自分にいつも出会っていく――それは常に学習です。そして、学んだことは自分のものになっていきます。しかし、大人になるとそのまま学習せずに過ごすことが出来るので、そうすると人は学ぶことを忘れてしまいます。宇宙も地球も変化し続けるのがこの世界なのですが、その中で変化しない状態が生まれてしまうのです。

人間は自己実現が出来ますが、その自己実現のベースになっている心に歪みや濁り、汚れがあったら、すべてのものをその色を通して見ることになります。そして、それが自分の幸せだと思ってしまうのです。結果、自分流で変化しないで進むことになります。

しかし、大切なのは、まずは自分が何ものなのかを知ることです。すべてを自分の鏡として受け止めることにより、滞りから自分を知ることが出来れば、人は変わっていけるのです。そして、変化は学習の結果なので、それは成長なのです。

しゅうくんにとって保育士は天職です。きっとこれからのしゅうくんは、子どもを見る視点が違ってきます。子どもを鏡として見て、保護者の姿、社会の姿を見ることになります。そうすることで子どもの環境を知り、ご両親に投げかけをしていくことが出来るでしょう。その環境を変えることによって、子どもが改善していくことになるのです。加えて、そのご両親もそのご両親、さらに社会から沢山の影響を受けてそのようになっているのです。しゅうくんには、その状況を生み出している社会に対してもメッセージが伝えられるようになっていってほしいと思います。癌になって癌細胞を取るのは簡単かもしれません。しかし、その癌細胞を生み出している自分を見ないで、癌細胞を取り除いても、解決とは言えないのです。

しゅうくんは、はじめは心がゆがんでいて、駆け引きがあり、愚痴っぽく、生まれつき鬱になりやすい性質を持っています。それで鬱になったのですから、ある意味予定通りであり、それはそれで良かったのです。しかし、そのエネルギーや個性は病気になるためだけにあるわけではありません。その特性を忘れた時に病気になるものですが、それに気が付いた時にはいろいろな形で活かせるのです。潔癖症は精度を上げたい気持ちの表れであり、鬱になるのは慎重になろうとする心でもあります。そうやって、自分の心の取り扱いを覚えていけばいいのです。そして、自分一人の力では解決出来ない時には、誰かに頼ればいいのです。そういう器用な人になってほしいと思います。

自分の存在によって、みんなを、そして社会を幸せに出来る人になると思っています。これからも共に連携して、世の中のために生きていきましょう。

~卒業コンサート後~
みんなとハグして見送られる中、両親と帰っていく。

2012年8月21日

しゅうくんから、保育の臨時職員の面接を受けるという以下のメールが来ていました。

2日間はゆっくりしながらも、さっそく市のホームページとハローワークのネットサービスで保育関係の求人を探しました。そうしたら、何と臨時職員の募集があり今日電話をしたところ、金曜日に面接しにきてくださいということになりました。 何というタイミングの良さ!神様に感謝です。
カルマ読みも講座のプリントを見ながら身近な人で試しているんですが、やっぱりもっとしっかり学びたいなと思います。
木の花でカルマ読みの講座をまた開いてもらえると嬉しいなヽ(^。^)ノ
家族にも木の花の生活でやっていたことを伝えて、肉食を減らすとか、朝食を抜くとかを家庭でも少しずつ実践していますよ。家族も木の花の事に関心をもってくれているので、自分もとっても喜んで話しています。